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2015.12.04

レビュー

昭和10年頃、神楽坂、雪だるまのような共同水道──カラスヤサトシの文庫で100年散歩

「葦手」ってなんだ? と思って辞書をひくと「文字を絵画的に変形させて絵を描いたもの」だそうで。実物を見るとぐにゃぐにゃと曲がった文字で風景を描いていておもしろいです。この小説も、もちろん文字は変形してませんが、ぐにゃぐにゃと風景に内的描写にと一筆書きのように展開していく感じがたしかに「葦手」のようで、時折なんの話をしていたのか見失いつつも読んでて心地よく楽しい。(カラスヤ)

普賢・佳人

著 : 石川 淳
解説 : 立石 伯

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レビュアー

カラスヤサトシ イメージ
カラスヤサトシ

1973年生まれ。漫画家。著作に『カラスヤサトシ』『カラスヤサトシのおしゃれ歌留多』『強風記』『喪男の社会学入門』『毎日カラスヤサトシ』第1巻など多数。『アフタヌーンはカラスヤサトシのもの』を「アフタヌーン」で連載中。新刊『オレは子を見て育とうと思う』(竹書房)『毎日カラスヤサトシ』第2巻、『カラスヤサトシ』第8巻(講談社)『カラスヤサトシの世界スパイス紀行』(新書館)、『カラスヤサトシの怖いところに手が届く』(集英社)、『おとろし』(秋田書店)、大好評発売中です。

近況:さすがにストーブを出さないと耐えられなくなってまいりました。

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