かつてアイドルグループに所属し、現在は文筆家として活躍される宮田愛萌さん。8月9日には「短歌甲子園」をテーマにした青春小説『春、出逢い』を刊行しました。短歌甲子園は毎年8月に盛岡で開催され、全国から集まった高校生が短歌を詠み競う大会。執筆にあたっては実際に盛岡まで足を運んで取材をし、そのほかにも文芸部に所属する高校生からお話を聞くなどした、そのエッセンスを随所にちりばめています。
本書では部活存続危機の文芸部員が短歌に出逢うところからはじまり、文芸部部長の吉徳紅乃(よしとく・くれの)のように個性あるキャラクターが詠む短歌がまた味わい深いです。作中に登場する60首近くの歌はすべて宮田さんによるオリジナルのもの。第一線で活躍する歌人の俵万智さんからは、帯コメントをいただきました。小説を読まれた方が少しでも短歌の魅力を感じてくださったら幸いです。ぜひご高覧ください。
──小説現代編集チーム 山下直人
レビュアー
小説現代編集チーム