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2023.11.28

レビュー

『汝、星のごとく』で語りきれなかった 3編の「愛の物語」

『流浪の月』に続き、今年『汝、星のごとく』で2度目の本屋大賞受賞という偉業を成し遂げた凪良ゆうさん。『星を編む』はその『汝~』の続編ともいうべき中編集です。「普通」とは何か、「正しさ」とは何かをずっと書き続けてきた凪良さんだからこそ書ける、さまざまな愛の形が本書には詰まっています。

1編目の「春に翔ぶ」では『汝~』でも人気の、櫂(かい)と暁海(あきみ)の教師である北原の秘められた過去が語られます。表題作の2編目「星を編む」は、櫂の漫画の担当編集である植木、小説の担当編集である二階堂の二人が主人公。彼らの作家愛がテーマです。そして3編目「波を渡る」は、北原と暁海のまさにその後 が綴られています。

すでに『汝~』を読まれた方は、海のようにどこまでも続く愛と人生の物語を引き続き楽しんでください。そして、まだ『汝~』を読まれていない方。これを機に2作を一気読みできるのは、むしろ幸せかもしれません。

──小説現代編集チーム 伊藤蓮矢

レビュアー

担当編集者

小説現代編集チーム

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