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2023.09.25

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古来、英雄たちはみな曹操が作った「孫子」を読んできた! 1800年のスタンダードを全訳注。

『孫子』という書物は、本当のところ誰が書いたのかすらはっきりしていないそうです。紀元前500年頃のものですから、それも無理はありません。多くの人が書き足したり、写し間違えたりして、何が元の文章なのかすらあやふやになっていく。1800年ほど昔の時点ですでにそんな状態だったそうです。

それを、「三国志」の曹操(そうそう)がその博識と実戦経験をもって「定本」としてまとめ上げたのが本書です。以降長きにわたってこのテキストが読み継がれたので、つまり武田信玄が「風林火山」の元ネタにしたのも、曹操が確定したものだったということになります。

最古の戦略書として称えられる『孫子』ですが、実際に中身を読んでみれば、根本にある思想は「戦わずして勝つ」だということがよくわかります。それはけっして単なるきれい事ではなく、曹操のような時代そのものを動かそうと戦い続けた者にとっての、たしかなリアリティだったのでしょう。

──学芸第三出版部 青山 遊

魏武注孫子

その他 : 曹 操
訳 : 渡邉 義浩

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レビュアー

担当編集者

学芸第三出版部

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