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古来、英雄たちはみな曹操が作った「孫子」を読んできた! 1800年のスタンダードを全訳注。
『孫子』という書物は、本当のところ誰が書いたのかすらはっきりしていないそうです。紀元前500年頃のものですから、それも無理はありません。多くの人が書き足したり、写し間違えたりして、何が元の文章なのかすらあやふやになっていく。1800年ほど昔の時点ですでにそんな状態だったそうです。
それを、「三国志」の曹操(そうそう)がその博識と実戦経験をもって「定本」としてまとめ上げたのが本書です。以降長きにわたってこのテキストが読み継がれたので、つまり武田信玄が「風林火山」の元ネタにしたのも、曹操が確定したものだったということになります。
最古の戦略書として称えられる『孫子』ですが、実際に中身を読んでみれば、根本にある思想は「戦わずして勝つ」だということがよくわかります。それはけっして単なるきれい事ではなく、曹操のような時代そのものを動かそうと戦い続けた者にとっての、たしかなリアリティだったのでしょう。
──学芸第三出版部 青山 遊
- 電子あり
曹操が実践の応用に足るように定本をつくったからこそ『孫子』は現代まで兵法の根本として重んじられてきたことが、よくわかる!
さらに、曹操や諸葛亮ら英傑たちが、戦場において孫子の説く兵法をいかに具体化させたかを分析する「実戦事例」も掲載。
『孫子』の真髄がより具体的にわかるようになり、さらには「三国志」の世界もより深く理解することができる画期的全訳。
*本書は講談社学術文庫のための訳し下ろしです。
レビュアー
学芸第三出版部
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