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【神ストレッチ】肩こり、腰痛……落とし穴は肋骨にあった! 驚異のメソッド

全人類、背中を丸めるだけでいい
(著:鈴木 孝佳)
2020.07.25
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書店員として勤務していた当時、商品である書籍を段ボールに入れて大量に運ぶことが日課だった。そのため腰痛と肩こりは若くして持病となり、ストレッチと筋トレは日々欠かせないメンテナンスの1つだった。職場では、誰もがその手の話をしていた。巷で流行るフィットネス、たとえばピラティスやホットヨガ、加圧トレーニングなど、新しい情報を聞きつけては、効果を期待して試しにいく人が多くいた。

そんな環境で長らく生活していたにもかかわらず、今回初めて目にしたのが、本書のこの提言だった。

肩がこる、首がこる、腰が痛い、
頭痛がする、眠れない、疲れが取れない。

現代人が抱えている不調は、
ある部分を整えると、
びっくりするくらい改善します。

「どの部位のこと? 骨盤??」と思ったら、そんなことは次のページですっかり先読みされていた。

自分が浅はかに思えて、ちょっと恥ずかしくなる。だが続けて示された部位の名前に、そんな気持ちも消し飛んだ。

ええっ!? 肋骨……! あまりにも意外な名前。そもそも肋骨のイメージは、「心臓や肺を覆っている骨」とか、「骨折しても、重傷でなければ固定して治るのを待つしかない」といった漠然としたものしかない。身体をほぐすためのさまざまな運動をしていても、気にしたことなどまったくなかった。それが突然、「重要」だと言われるとは。

そんな私の戸惑いをよそに、続く解説ではさらにびっくりする文言が目に飛び込んできた。不調の原因となる「肋骨の歪み」を整える方法、それが「背中を丸める」ことだというのだ!

小さい頃から「姿勢はまっすぐに」と言われて育ったし、長じてからも「背中が丸い=猫背はいけない」と思っていた。それが「整える」ことにつながるなど、まったく想像がつかない。でも冒頭から気持ちを先読みされ、意外な部位名を挙げられ、そのうえ驚きの解決法を提示されてしまっては、もう先を読むしかないだろう。「この著者ならきっと、納得させてくれるはず」。そんな思いでページをめくった。

チャプター1では、「背中を丸めるとなぜ不調が改善されるのか」というタイトルで、詳細が明かされていく。人間は1分間で10~15回、1日で約2万2000回の呼吸を行っているという。とはいえ、日常の中でその数を意識する機会は少ないし、ましてや「呼吸の仕方」など気に留めたこともない。だが著者は、そこに大きな問題が隠されていると指摘する。

多くの方が、ズバリ「呼吸のしすぎ」です。
その原因の多くは、肋骨にあります。肋骨が開きすぎて歪んでいると、呼吸をつかさどる横隔膜が正しく作用しなくなります。すると、他の筋肉を使って呼吸を助けることになり、身体の不調に繋がるのです。

横隔膜なんて、しゃっくりが出た時にしか気にしたことがなかった! 肋骨といい呼吸といい、無関心だった部位や動きにも重要な意味があることに、思いがけず次々と気づかされる。

このあとは、自身の呼吸の状態を客観的に把握するための方法や、「背中を丸める」ことと「猫背」との違い、姿勢改善の実践レポートなどが紹介される。中でも「反り腰と横隔膜の関係」は、私も長年抱える悩みの1つであり、挙げられた事例や説明には心当たりがありすぎて、「そうだったのか……!」と、何度も膝を打ってしまった。

チャプター2以降では、ストレッチの具体的な方法が写真と共に紹介されている。どの動きも簡単そうに見えて、実際にやってみると一気に身体が暑くなり、筋肉を使っている実感もすごい。なお、ここでマスターする呼吸法は、他の動作でもほぼ必須となっていた。呼吸法だけ別に練習すると、身体を動かす時にはスムーズに取り入れられて良いかもしれない。

本書は重要部分を水色の文字と黄色の強調線で彩り、目にやさしく読みやすいデザインに仕上げている。実用書ではあるが、品の良いビジネス書ともいえる雰囲気も漂い、全体的にスタイリッシュなつくり。また一連のストレッチは「14日間の基礎プログラム」として巻末にまとめられていて、付属のQRコードからアクセスすれば、動画でも見られる仕組みになっている。2次元ではつかみにくい動きも、3次元で確認するとわかりやすく、著者のアドバイスや時間の計測も同時に聞けるスグレもの。

文字と動画、どちらもうまく使いながら、仕事の合間や終了後の息抜きとして「肋骨」と向き合い、背中を丸めてみてほしい。

『全人類、背中を丸めるだけでいい』書影
著:鈴木 孝佳

肩こり、首こり、腰痛、頭痛、眠れない、疲れが取れない……。
こういった体の不調をびっくりするくらい改善する、老若男女問わない全人類共通の方法があります。

その方法とは、「たった1分背中を丸める」だけ!

難しいポーズやきついトレーニングは一切なし。
毎日できて、すぐに体をリセットできる、一生続けられるストレッチです。

現代人は長時間のスマホやパソコンの使用で身体を動かさず、ずっと同じ姿勢をとっています。
そのため肋骨や骨盤がゆがみ、横隔膜の機能が低下。呼吸が浅く早くなり、それを肩や腰など身体の他の部位で呼吸を補おうとすることから、すべての不調は始まっているのです。

「背中を丸める」というシンプルなストレッチで、肋骨や骨盤は正常な位置に戻り、正しい呼吸ができるようになる!
これは、科学的なアプローチで身体の不調と姿勢改善のメソッドを提供している著者が、パーソナルトレーナーとして顧客に教えている方法です。

・正しい姿勢と呼吸法
・背中を丸めるための5ステップ
・筋肉をゆるめさらに効果を高めるストレッチ
・骨盤の歪みを直すストレッチ
・日々のパフォーマンスもスタイルもアップする90度腹筋

1分背中を丸めるのと他の運動を組み合わせた、1日5分の簡単なプログラムをまずは14日間続けて、体の変化を感じ取ってください。
本書に掲載のQRコードから、このプログラムの動画も見ることができます。
鈴木トレーナーと毎日一緒に実践しましょう!

日常の不調に悩みながら、従来のトレーニングやストレッチの効果が出ずにお困りの方にこそ、ぜひ実践していただきたいメソッドです。

レビュアー

田中香織 イメージ
田中香織

元書店員。在職中より、マンガ大賞の設立・運営を行ってきた。現在は女性漫画家(クリエイター)のマネジメント会社である、(株)スピカワークスの広報として働いている。

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