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やられたらやり返す、倍返しだ! 国民的大ヒットドラマ「半沢直樹」コミカライズ

半沢直樹(1)
(原作:池井戸 潤 漫画:フジモト シゲキ  構成:津覇 圭一)
2020.05.30
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原作小説『半沢直樹』は、シリーズ累計615万部を突破!!
半沢直樹の決めゼリフ「倍返し」は2013年の流行語大賞にも選ばれ、ドラマの最高視聴率は、42.2パーセント!!
そして今年はドラマの続編も放送予定と来たら、再び『半沢直樹』ブームがやって来ること間違いなし!!
と言いたところですが、実は私、このドラマを1度も見たことがありません。
もちろん大ヒットしていることは知っていたのですが、天邪鬼なので途中から観ることをせず、ひたすら再放送を待ち続けていました。ところが、それもなし。
これではまた置いてけぼりを食らうぞ、と思っている私みたいな『半沢直樹』難民に売ってつけなのが、コミカライズされた『半沢直樹』です。

東京中央銀行大阪西支店に着任して2年、融資課長である半沢直樹は最大の窮地に直面していました。
5億円の融資をしたばかりの西大阪スチールが倒産、その全責任を直樹に負わせようと支店長の浅野が本社に働きかけたからです。

半沢の同期の渡真利が言うには、「銀行はトーナメント方式。一度沈んだら消えるしかない」という厳しい世界。もし5億円を回収できなければ、「出向――片道切符の島流し」が待っているのです。
だから、聞き取り調査という名目の査問委員会に呼ばれた半沢直樹は、

『半沢直樹』の魅力は言うまでもなく、相手が誰であろうと悪い奴には容赦しないところ、そして決して妥協しないところです。
原作である池井戸潤さんの『オレたち花のバブル組』にも、こう書いてありました。

基本は性善説。しかし、やられたら倍返し──。
それが半沢直樹の流儀だ。

だから、西大阪スチール社で経理を担当していた波野を追い込むさまも、冷ややかでえげつない。


       

直線的で力強い硬質な画から、半沢の気迫が伝わって来るような気がします。
その一方で半沢は、相手の気持ちに寄り添う優しさも見せます。

西大阪スチール社のせいで倒産した竹下金属の竹下社長が、耐えきれずポロッと溢した「やっぱり騙されたわしがアホやったんやろか」に対し、半沢はこう答えます。

いいえ! 騙したほうが悪いんです。
当たり前じゃないですか、竹下さん!

こんなふうにキッパリと言える人って、意外に少ない気がするのです。
たいていは、「騙されたお前も悪い」「いい勉強をしたと思え」「早く忘れて次に進め」と諭されたり、自分に言い聞かせたり。

相手に立ち向かうということは、それだけ莫大なエネルギーを要し、決して挫けない芯の強さが必要になるので。
どんな困難にも立ち向かい、決して諦めない半沢直樹という人物像は、7年前よりもさらに必要な時代になったのかもしれません。

社会現象になったほど強烈な印象を残した『半沢直樹』ですが、さすがに7年前ともなると細かい部分は忘れているものです。
特にこの作品は登場人物が非常に多く、金融用語もたくさん出てきます。

『半沢直樹』のコミカライズは、無駄のない運びで非常にテンポよく読めます。
元メガバンク支店長だった銀行マンのリアルな解説も付いているので、背景もわかりやすいです。
また、キャラクター達もドラマに出てきた俳優さんに無理に寄せていないので、そのイメージに囚われることなく楽しめました。
私のようにドラマ『半沢直樹』を見逃した人はもちろん、ドラマや小説を読んだ人がおさらいをするにもいい作品だと思います。

  • 電子あり
『半沢直樹(1)』書影
原作:池井戸 潤 漫画:フジモト シゲキ  構成:津覇 圭一

2013年のテレビドラマ化で社会現象にもなった池井戸潤氏の小説『半沢直樹』が、ついに週刊漫画雑誌モーニングで、本格コミカライズされます! 作画を、三田紀房氏(モーニングにて『ドラゴン桜2』を連載中)絶賛の新人、フジモトシゲキ氏、構成をネームの切れ味に定評のある津覇圭一氏が担当し、小説とも漫画とも一味違う、半沢直樹をお届けします!! 半沢を大好きな人から、知らない人までお楽しみいただけること間違いなしです!

レビュアー

黒田順子

「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。

公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp

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