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ピアジェもエリクソンもまんがでわかる! 発達心理学の入門や復習に最適
(監修:渡辺 弥生 漫画:鈴村 美咲)
今、密かに勉強をしています。
何の勉強かというと……2019年後期の保育士試験にチャレンジ予定です!
でもあまり自信が持てないので不言実行にしようとしていたのに……このレビュー記事のおかげでやっぱり宣言することになってしまいましたよ(笑)。
まさに最近、保育士試験の1項目である「保育の心理学」の過去問を見ていたら、専門用語や人物名がたくさん出てきて「さてどうやって勉強したら効率的か!?」と考えていたところでした。
発達心理学の本は大抵文字だらけでわかりづらい。難しいです。
そんな時に出会えた本書!
概念や人物名ごとに解説された、従来の文字による説明のわかりにくさを、主人公の少女・真桜とその友人の成長、家族とのかかわりという1つのストーリーの中で説明していくという手法にして解決しています。
まんがというだけで安心しますよね。
細かい文字だけだと読み始めるにも気合が必要ですが、まんがだと気楽にすらすら読めます。
このストーリーの中に、先ほど述べた保育士試験にもよく出てくる、「エリクソン」「ピアジェ」「ヴィゴツキー」「ボウルビィ」「エインズワース」といった人物名も出てきます!
なんてありがたい!
カタカナの名前を覚えるのが苦手な私、歓喜!
保育士の話ばかりしてしまいましたが、発達心理学というのは私たちの人生に幅広く、そして深く関わっています。
そもそも発達心理学とは……
人は生まれてから死に至るまでの生涯を等しく一度だけ経験します。こうした経験を映画、ドラマ、小説、ニュース、あるいは身近な人たちを通して想像することはできますが、「自分」はどこからどこへいこうとしているのか、自分に適した生き方とはどういうものか、と折に触れて湧いてくる疑問への答えを持ち合わせていないものです。自分以外の他人という存在は、生きることの素晴らしさを教えてくれるときもあれば、同時に生きることの難しさを感じさせる場合も少なくありません。
発達心理学は、生まれてから死に至るまでの生涯の発達を科学的に探求する学問です。胎児期から、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、高齢期と、各時期にそって心や身体がどのように変化していくのかを解明しようとしています。単なる時間的変化だけではなく、幸せになるという価値観を含んだ一生涯を対象にした学問分野です。
なるほど、「幸せになる」ということを軸に人間の心と身体の変化を学ぶんですね。
なんという愛のある学問でしょう。淡々と事実を知るだけではない、目標は人間の幸せだなんて。
そして発達心理学を必要とする仕事は、
【医療福祉現場】医師、看護師、保健師、介護福祉士
【教育現場】保育士、教員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー
【司法の現場】家庭裁判所調査官、児童相談所職員、弁護士、警察官
【心理の臨床の現場】子ども発達センター・児童発達支援センター職員、臨床心理士
【キャリア形成の現場】キャリアカウンセラー、産業カウンセラー
【メディア関連】教育・保健・福祉・医療関係の情報を発信する記者・編集者
一例ですがこれだけあります!
発達心理学を学んでおけば将来の選択肢がぐっと広がりますね。
仕事だけではありません。
普段、深く考えたこともなかった自分や他人の何気ない言動。
その中に発達心理学で説明できる現象がたくさんあることに驚きました。
例えばうちのもうすぐ2歳の息子は、今この段階ですね。
「自己鏡映像の認知」「自己意識の発達」。
めんどくさくて大変な第一次反抗期もこの自己意識の発達という大切な過程だとわかると愛しく思えます。
そして4歳になった娘はここ。
「エピソード記憶」と「社会的役割」。
わかるわー。保育園の帰りに達者な口が「今日は〇〇公園に行ってね、おいかけっこしたんだよ!」「〇〇ちゃんとお医者さんごっこしたの!」と楽しそうに話します。ちなみにお医者さんごっこはいつも率先して患者役をするそうです(笑)。 医者にはならないのね。
もう少し大きくなって、ストレスの解決方法にも名前がついているんです!
例えばこの、真桜の友人・正輝が選んだ「ポジティブコーピング」というストレス解消の方法。
他にも「ネガティブコーピング」「解決先送りコーピング」なんてものもあるそうです。
それぞれの種類を体系的に知っているだけで、自分や友人や子どもがストレスに陥り悩んでいるときに、冷静に考え対処することも可能ですね!
人間誰しも、どうせ生きるなら幸せになりたいです。
発達心理学を学ぶ学生や、発達心理学が必要な職に就きたい方はもちろん、日常生活で人の「心」に関心のある人、幸せってなんだろう……幸せになる方法ってなんだろうと日々考えている方々はぜひご一読ください。
幸せのヒントがたくさん詰まっていると私は感じましたよ!
- 電子あり
発達心理学の基本がストーリーまんがになりました!
乳児期、幼児期、児童期、青年期と、登場人物の成長を追いながら、日常生活のリアルな場面に合わせて発達心理学の重要用語や理論を解説。従来の、概念や研究者ごとに解説されていたテキストのわかりにくさを一気に解消した画期的な1冊です。
一見、難しそうな発達理論も、まんがのキャラクターの会話や行動の中に自然に溶け込んでいるからスイスイ読める、理解できる、記憶に残る!
保育士、幼稚園教諭、スクールカウンセラーを始め、公認心理師という新しい資格制度もでき、教育、福祉、保健医療の広い分野で発達心理学の知識を必要とする人は増えています。発達心理学を学んでいる人、これから勉強しようと思っている人に絶対おすすめの1冊です。
【特長その1】重要語句や基本概念がストーリーまんがでわかる!
【特長その2】主人公の成長に合わせて218個のキーワードを解説!
【特長その3】入門や復習に最適!
【本書の内容構成】
プロローグ 発達心理学ってどんな学問?
◆第1章 胎児期~乳児期(胎児~1歳)
・胎児期の発達
・気質と愛着
・人見知りと物の永続性
・愛着の個人差
◆第2章 幼児期(1~5歳)
・自己意識の発達
・第一次反抗期
・自己主張と自己抑制・心の理論
◆第3章 児童期(6~12歳)
・自尊感情と社会的視点取得能力
・公正観の発達
・二次の心の理論の発達
・保存概念の発達と責任判断
・自己決定感とメタ認知能力
・動機づけ
・社会化と道徳性
◆第4章 青年期(前期~中期 13~18歳頃)
・青年期の自己中心性
・共感性と自己嫌悪感
・自己開示とジョハリの窓
・アイデンティティの確立
・時間的展望とソーシャルサポート
レビュアー
一級建築士でありながらイラストレーター・占い師・芸能・各種バイトなど、職歴がおかしい1978年千葉県生まれ。趣味は音楽・絵画・書道・舞台などの芸術全般。某高IQ団体会員。今一番面白いことは子育て。
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