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億り人になる!ミレニアル世代のための新しい「投資」論。

2018.07.25
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■ユーチューバーもメルカリの売買も、投資!?

将来に向けての名言だらけの本だ。1冊のうちに何個か心に残る言葉があるだけでも収穫があったなと思うが、本書は毎ページに名言・格言が存在する。薄っぺらい自己啓発本ではない。今すぐ日常に取り入れられる、投資のための思考や行動だらけ。……いや違う。投資の話とみせかけて本質は「生き方の話」だ。

本書は、今、生き方で悩んでいるすべての人たちに向けて書きました。
少なくとも、僕自身「投資家としての生き方」をすることによって、心の底から、今の自分の生き方に納得できています。
食うためにお金が必要なのではなく、自分のやりたいことを実現させるためにお金を増やしていくのが投資家としての生き方です。
(中略)
人間の幸せとは、どれだけ周りの人を幸せにしたか、だと僕は考えています。自分が応援され、人も応援する。理想論かもしれませんが、そんな幸せな生き方を一緒に目指していきませんか?

はい、やりたいことの実現のためのお金がほしいです。ほしくてたまりません。

知的好奇心に満ちた人は興奮するだろう。血液が脳に熱く巡るのを感じるだろう。だってユーチューバーという職業が投資家だなんて知っていました? いまや小学生がなりたい職業ナンバーワン。

たぶん普通に会社員して、普通に主婦をして、という層は「投資家」が何なのかわかっていない。何を志し、どのような精神と手段で何をしているのか。仮想通貨の億り人が投資家なのはわかる。ユーチューバーやインフルエンサーも先に出したが、フォロワーや彼らが形成するコミュニティが金銭的価値を持つ投資家。

そしてメルカリ。主婦のみなさんやってることでしょう。購入後も値下がりしづらく売りやすいものを吟味して購入することは、単なる消費ではなく、投資の側面もある。これも立派な投資家視点を養うものだった! 驚き! さらに港区女子。彼女たちにとっては人間が投資対象。彼女たちこそ雇用されずに投資で生きている立派な投資家だそうだ。

株とか不動産投資だけが投資ではないのだ! だからこそ、「ごく普通の会社員」「ごく普通の主婦」といった普通であればある人にこそ読んでもらいたい。

そしてタイトルに「ミレニアル世代のための」とあるが、それより上の世代こそ読んだ方がいい。投資に必須の「SNSでのコミュニティの形成」の仕方なんて、ミレニアル世代なら自然に身についているかもしれないが、上の世代はSNSがどう価値を生むのか、コミュニティをどう作るのかを本書で学んだ方がいい。


■労働の価値が下がる未来、お母さんたちこそ投資家に!

投資はお金持ち、初期投資できるお金を持つ人だけができるものだと思っていた。お金持ちの家に生まれたラッキーな人は、その持っている余剰金を用い、不動産でも株でも投資信託でも、どんどん増やすことができる。生まれた家が全てなのだ。お金持ちはずるい、お金持ちは羨ましい。

そう思っていた。

たまに投資メインで生活している人と知り合っても「この人は裕福な家に生まれたか、とてもラッキーだったか、精神が強い人なんだろうな」と思い、自分にはできない言い訳にしていた。

結婚してから夫に「時間に余裕があるなら投資でもしてみてよ、増やしてよ。君ならできるでしょ?」と何度も提案されたが、それでも「わからない。やり方を誰からどうやって学べばいいのかも全然わからないし、もし減ってしまった時に平常心でいられないと思うから」と、うだうだ理由をつけては避けてきた。

そう、私は投資から逃げていた。

だがしかし、昨年秋にそれはやってきた。

仮想通貨の価値の急上昇。数日前にビットコインが40万円になったとネットニュースで見たものが、60万円に上がっているのを知った時、ど素人ながらも「あれ? これは私でも簡単に増やせちゃうやつだ」と瞬間的にわかった。

結局億り人になるにはほど遠かったが、でも投資家としての精神を初めて強く持てた瞬間だった。働かなくてもお金を手にする手段があることを、実感を持って知ることができた。

今後、働き方改革で残業ができなくなり、サラリーマンの給与は下がるだろうと言われている。更にAIや自動化によって、労働の価値はますます下がり続ける。

労働でお金が稼げないこれからの時代、僕らはみな、好む好まざるとにかかわらず、投資家として生きねばならないということが、僕が最も伝えたいことなのです。

労働はお金を稼ぐためのものではなく、「コンテンツ化」し、「娯楽」として楽しむものに変貌していくのではないか、というのが僕の考えです。労働は本業ではなく、副業になっていくという言い方もできると思います。

……現実世界は厳しい。目をそむけたくなるような厳しさ。今でも十分生活はきついのに、これ以上きつくなるなんてどんな罰ゲームですか。

でも待って。投資家という形態が一番向いているというか、一番やったほうがいいんじゃないかと思うのはお母さんたちだと私は思う。

育児をしたい。でも仕事もしなければ余裕がない。

子育てしながら働くのは本当に大変。月に2~3回、熱で保育園から呼び出される。パートやアルバイトだと収入はどうしても夫よりかなり低く、家庭内でもなんとなく立場が下だと思ってしまうからせっせと家事もする。

しわ寄せはみんなお母さんに。なぜこんなに肉体も精神も不自由なのだろう。

だからこそ、自分のペースで、肉体ではなく頭を使いお金と自由を自分で勝ち取る「投資」を、お母さんたちにこそ勧めたいと思った。

家庭内の地位も、いやそんな小さなものではなく社会的地位も、自信も、お金も、手に入れていいんです!

日々メルカリで洋服や子供用品やハンドメイド品を売買しているお母さんたち、帰宅した旦那様にドヤ顔で「私、投資家の精神を持っているみたいよ」と言ってほしい。

将来的には「私の職業は投資家。趣味というか気晴らしは仕事です」なんて言ってみたい。……そんなかっこいいこと言ってみたい!

よし目指そう、子どものために、老後のために、自分のために。

本書がその後押しをしてくれるはずです。

『この時代に投資家になるということ』書影
著:正田 圭

ミレニアル世代のための新しい「投資」論。
正田圭と申します。15歳で起業し、現在32歳。M&A(合併買収)事業を営む、TIGALA株式会社の代表を務めています。これまでに自分で起業した会社の経営、自社の売却、他社の買収を何度も経験してきました。今、僕の生まれた1986年あたりを境とする世代、「ミレニアル世代」に富裕層が増えつつあり、彼らは新しい「投資」の思考を用いて資産を形成しています。本書では僕の17年におよぶ起業家としての経験、そこで形成された持論をもとに、「投資」の定義と必要性、「投資」でなければ稼げない社会に変化した原因、ド貧乏もお金持ちも経験した僕だから言えるこれからの時代を投資家として生きていくために何をしていけばよいかについて縦横無尽に述べていきます。

*以下、本書内容からの抜粋
・自分で人生を選べるのであれば、「お金に支配される生き方」より、「お金に支配されない生き方」を選びたい。
・資金がたとえ少なくても、投資というものをスタートすることができる。
・アインシュタインの名言「常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションのことを言う」。
・投資とは「コミュニティに参加すること」。
・労働は「麻薬」である。
・投資のコツは、視点が8割。
・労働の価値は希薄化しても、努力の価値は希薄化しない。
・ブロックチェーンが登場しても経済の原理原則は変わらない。
・本格的な「人類皆投資家時代」が到来する前に、投資家視点を身につけるべき。
・世の中の値段のつけ方は意外と間違っている可能性が高いという認識を持つこと。これが投資家のスタートライン。
・「情報は発信する人のところに一番集まる」。
・財布の中身の小銭1円単位まで、自分がいくら持っているかを数える。
・起業は投資であり、自己実現手段。
・お金持ちになるということは「虹」を見つけるようなこと。
・この変化していく時代の中で必要なものは、視点の切り替えだけ。

レビュアー

野本紗紀恵 イメージ
野本紗紀恵

一級建築士でありながらイラストレーター・占い師・芸能・各種バイトなど、職歴がおかしい1978年千葉県生まれ。趣味は音楽・絵画・書道・舞台などの芸術全般。某高IQ団体会員。今一番面白いことは子育て。

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