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定年貧乏を予防する!「自分の財布から何が漏れているか?」チェック
「ムダ遣いはしていないはずなのに、なかなかお金が貯まらない……」「いつの間にかお財布からお金が消えている」など、貯金はしたくてもなかなかうまくいかない人は多いのでは。5月に『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)を刊行した消費経済ジャーナリストの松崎のり子さんに、気がつかないうちにお金を使ってしまう人がやりがちな「使いグセ」について教えてもらいました!
■いつのまにかお金が漏れている、 あなたの「使いグセ」見つけよう!
なぜ、お金を貯めることは難しいのでしょうか。それは、「世の中がお金を使わせる誘惑に満ちている」から。ムダなお金なんて使ってはいないのに、なかなか貯まらないと思っている人にまずやってほしいのが、使いグセに気づくことです。
お金の使いグセに潜む、「ムダ遣いしやすい習慣」を改めれば、自然に支出は減っていきます。消費を我慢するのではなく、なぜ使っているかを考える。すると、必ずしも欲しい物や必要な物だけを買っているわけではない、と気づくはずです。
なくてもいいもの、買わなくてもいいものを、なぜ買ってしまうのか。普段、自分がどんなお金の使い方をしているのか、簡単にわかる方法を3つ紹介しましょう。
①レシートから「お金の使い先」をチェック
家計簿をつけていなくてもできるのがレシートのチェックですが、見るべき点はお金を払った物や金額ではありません。どのお店のレシートなのかです。コンビニやドラッグストアでしょうか。定食屋やファストフード店などの飲食店? レシートを見てみると、よく行く店はどこなのか、行く頻度はどのくらいなのかなど普段の消費行動が見えてきます。中には「買いたいものもないけど、つい寄ってしまう」店もあるのでは。用もないのについつい足が向き、目についたものを買う。それは、おなかが空いているわけではないのに、手元にスナックがあるからつい食べてしまうのと同じようなものです。さほど欲しくないものを「ついつい買い」してしまうクセを直すには、その「使い先」に近づかないことが一番。そこに通う回数を1回減らすだけでお金は浮きます。
スーパーに毎日買い物に行く主婦なら、週に1日だけはスーパーに近づかず、家にあるもので作るようにする。それだけで1000円は使わずに済むでしょう。月にすれば4000~5000円。決して小さい金額ではありませんよね。
なお、そもそもレシートをもらう習慣がないという人は、ぜひ今日から受け取るようにしてください。少なくとも1週間、できればひと月分を溜めて、改めてチェックするのが理想です。
②「ムダ遣い家計簿」をつけてみる
家計の支出管理に意識が高い人なら、家計簿をつけているでしょう。最近ではスマホアプリで簡単につけることもできるのでハードルも下がりました。でも、家計簿をつければ自然にムダ遣いが減るとも限りません。書いたということだけで満足してしまう人が多いからです。家計簿をつけている人も、家計簿が苦手な人でも、簡単にムダな支出がわかる方法があります。題して「ムダ遣い家計簿」。その日に使ったお金のうち、「これは買わなくてもよかったかな」「ムダ遣いだったかもしれない」というお金だけを書くのです。
書いてほしいのは、使用した用途と金額。家計簿をつけている人なら、いつも通りに記入した後、欄外にそれだけを抜き書きを。家計簿をつけていない人なら、手帳の1ページを使ってメモしていくのでかまいません。買ったその日は気持ちが高揚しているのでムダだったという意識は薄いでしょうから、翌日あるいは1週間まとめてレシートを見直しつつ書いてもいいでしょう。
ひと月分がまとまったら、ぜひその「ムダ遣い」を集計してみましょう。自分は毎月いくら余計な支出をしているのかが、それでわかります。
これは、金額だけではなく何に使うお金をムダだと感じているのか、自分の消費メンタルに気づくことも狙いです。案外、人付き合いに関わるお金が膨らんでいたり、ストレス解消のために使ったお金がもったいなかったり、たんなる衝動買いとは意味合いが異なる使い方に問題が潜んでいる場合もあります。
自分がムダ遣いしている金額が毎月これだけあるのだと「見える化」してみることが、ここでは大事な点です。
③「オトク」に乗せられた支出はないか
次は、ムダ遣いという意識がなくて買っている「ムダな買い物」です。その共通項は意外にも「オトク」。まとめ買いで安く買えた、割引クーポンが使えた、送料無料になった。このあたりが要注意ワードです。
「3品セットで買うと10%オフになる」→必要な物を1品買うつもりが、このフレーズであと2品余計に買っているパターン。値引きになった金額よりも、予定外のものを買った支払いの方が多いのでは? お金が貯まらない人の家は、冷蔵庫やクローゼットなどの収納スペースにものがいっぱいであることが多いもの。ものを買えば買うほどお金は出ていきます。たとえ割引になっても、なくてもよかったものを増やすのはオトクな買い方ではありません。
「以前もらった割引クーポンを買い物に使う」→ドラッグストアやファミレスでレシートにクーポンが印刷されていることがあります。10%引き、20%引きとあるのを見ると、オトクじゃないかと思いがち。でも、よく読むと2000円以上の買い物をした場合につき、などの利用条件が書いてあることも。さらに、クーポンにはたいてい有効期限があるため、欲しいものを買うというより、この割引の権利がもったいなくて、お店まで出かけていくのです。いま買う必要があるかということよりも、クーポンを使うことが目的になって、実はしなくてもよかった支出をしてしまうのです。
「送料無料になるまで買った」→ネットショッピングではお決まりのフレーズがこれ。「あと3000円買えば送料が無料になります」そうきくと、ほとんどの人が素直に買い物を続けてしまうようです。送料を払う=ソンすると感じてしまうためですが、本当にそうでしょうか? 大型の家具や、離島に送ってもらうなどでなければ、送料が3000円、5000円とかかることはまずないでしょう。潔く送料を払ったほうが、支払う総額は安く済む事が多いのです。
どうでしょうか、自分の行動で思い当たるものがある人は、そこが「お金の漏れる穴」だと気づいてください。「オトク」や「無料」は使わなくていいお金を使わせてしまう、怖い呪文だということです。
消費経済ジャーナリスト。「ESSE」「レタスクラブ」等の生活情報誌の副編集長として20年以上、節約・マネー記事を担当。貯蓄成功のポイントは貯め方よりお金の使い癖にあると分析、その視点で多くの貯蓄達人を取材した経験から貯蓄・節約アドバイスを行う。雑誌やwebを中心に生活者目線で執筆中。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)。
「定年前から」始めておける、「定年後だから」できる、リタイア後の賢い貯蓄術! 貧乏老後にならないためには必読の書!
●目次
【はじめに】
老後のお金の不安を消すシンプルな方法など
【ウオーミングアップ 使いグセを棚卸しする】
老後の支出はいまの7割、収入は5割?/お金が漏れている、あなたの「使いグセ」の見つけ方など
【ステップ1 勝手に貯まる生活に変える】
4つの「減らす」でお金は貯まる/「出」を減らす処方箋/「不満」を減らす処方箋/「モノ」を減らす処方箋/「自己負担」を減らす処方箋
【ステップ2 もらえるお金はきっちりもらう】
死ぬまでもらえるのが国の年金/公的年金でもらえるのは5000万円以上?/介護のお金は誰が出す? など
【ステップ3 お金持ちより“応”金持ちになる】
いくら貯めればいいかはこう考える/低金利時代の貯め方は、増やすより目減りさせないこと /金利より見るべきものは「非課税」のメリットなど
【ステップ4 稼ぎ力を積み立てる】
働くことが一番の貯蓄術/お金を生み出すスキルや人脈を積み立てる/老後のために は出世しないほうがいい!?/住まう場所でお金の価値は変わるなど
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