みょーちゃん先生に相談しよう
保健室の先生である“みょーちゃん先生”こと“笹舟みよか”のもとには、毎日のように悩める思春期の少年少女がやってくる。
「恋バナ」のご相談まで気さくに受け付ける保健室の先生ってすばらしい。慕われている。
この凄まじい角度からの恋バナをサクッと相談できる先生は、いたほうがいいと思う。でね、次のページがものすごいんですよ。
情報量が多すぎるけれどイヤなところが一つもない。そう、オトナだからってアオカン経験者であるとは限らないし、交際2週間でアオカンのご提案をしてきた彼氏に悩む少女の気持ちはごもっともだし、みょーちゃんの「ダメでしょ」に私も同意だし、「じゃーいつからいいの?」という質問も真っ当だ。
開始条件が非常に曖昧なのがよくわかる。思わず考えちゃったよ。で、みょーちゃん先生はこの学校の養護教諭だし、「それは危ないよ」ということだけは絶対に伝えたい。
たぶん生徒にはこの時点で「あ、これ嘘ついてるな」とバレているように思うが、みょーちゃん先生渾身の模擬授業が始まる。
みょーちゃん先生の紅潮した顔と、女生徒のシラけきった目のコントラストがいい。
「だ~~から」から始まる胸もみって初めて見たかも。「ここは実際にもんでるって想像してね」ってささやきもかわいい。で、どんどん同意が取れて行為がエスカレートし……!
ここまで至ってしまう。もうしょうがないので、なし崩し的に指導は続きます。
うん、公然わいせつで捕まる前にスマホで撮られて拡散されてしまう。アオカンの非常に危うい点が凝縮されている。さあこれで模擬授業も終わり……かと思いきや、
話がどんどん膨らんでってる! みょーちゃん先生どうする?
「私はこうだよ」
アオカンのご相談でもわかるとおり、みょーちゃん先生はいつだって体当たり指導だ。体当たりが過ぎて、思わぬところで墓穴をボコボコ掘るタイプ。愛しい。
ある日の保健室でも、みょーちゃん先生の赤裸々が誘発されてしまう。「女の人の目線で意見がほしいです」と漫画家志望の“清水くん”が、みょーちゃん先生にアドバイスを求めにやって来たのだけど……?
おっぱいが大きいことは間違いでもなんでもないが、そのカップ数には疑問が残る。なお、この清水くん作のキャラはウエストが49センチで体重が38キロで視力が2.0なのだという。さあ、そんなミラクル謎スペックに対し、みょーちゃん先生はどんなアドバイスをする?
どんどん開示されていくみょーちゃん先生のパーソナルデータ。
数字だけじゃなく絵でも教えてしまう! そう、スカートの履き方ひとつでウエストなんてどうとでも見えるんですよ。
少年の願望と欲望と妄想とまだ見ぬ現実がぐちゃぐちゃだ。養護教諭のみょーちゃん先生としては、ある点が見過ごせない。生身の肉体をもつ女と清水くんが抱くイメージとのかい離や、清水くんの「こうでなければ」という超余計なお世話な理想は、やがて清水くんや清水くんの周りの人間にショックを与える。
ずずい、と迫り来る巨乳。そして「私は巨乳だよ……受け容れて」のセリフ。お色気とギャグで笑っちゃうんだけども、実はとても深いページだ。
だからみょーちゃん先生が生徒に慕われるのはよくわかるし、私もこのマンガがとても好きだ。みんなのお悩みは切実だしごもっともだし、みょーちゃん先生は体当たりで答えてくれるし、よき回答が見つからないときは一緒に考えてくれるから。
パンツA(フリフリ)とパンツB(後ろはほぼヒモ)、どちらが適切か?とかね。この回も涙が出るくらい笑った。
ところで、巨乳な女を受け容れられない清水くんはどうなっただろうか。
そっと美術室へと誘うみょーちゃん先生。このあとみょーちゃん先生の名講義が始まります。お楽しみにね。
レビュアー
ライター・コラムニスト。主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」などで執筆。
twitter:@LidoHanamori