とにかくヒロインが可愛い!! 何をやっても可愛い!! 女の私から見ても可愛い!!
もう、これに尽きます!!
「息をするようにモテる女」 川井モナ。いつも周りからチヤホヤされてきたのに、初めて見向きもしない男が現れました。
彼の名は、黒岩メダカ。2週間前に来た転入生。
「高校生活、私しか勝たん!」と密かに思っているモナは、あの手この手でメダカをオトしに行きます。
スタイル抜群のモナは、美脚アピールにパンチラまでやったのに、メダカは眉間にシワを寄せた“しかめ面”。挙げ句、「話しかけるのも控えてほしい」とまで言われてしまいます。
なんでや!!
セクシーポーズを決めながらも「どや!」「どやねん!!」と心の声が漏れる度に、クスッとしてしまいます。
大阪出身のモナは、普段の喋りは標準語なのに心の声は大阪弁。これがめちゃくちゃ可愛い!!
このボケ 何でしかめ面になってんねん?
“女王様”としてのプライドが許さないモナは、メダカと2人きりの保健室で「お色気大作戦」を決行します。
恋愛感情一切なし、ただ自分に興味を持たせたいだけ。その一心でメダカに迫っていたモナですが、一瞬キュンとする出来事が起こります。
しかし、「私がオトしてそれで終わりや!」と自分に言い聞かせ、今度は“へそチラ”までやったのに、これまた無反応で行ってしまうメダカ。
なんでやねん!!
モナに迫られる度、メダカが唱える言葉があります。それが……、
実はメダカの家はお寺で、彼自身も仏門に身を置く修行僧。色恋は戒律で禁止されているので、「心頭滅却(しんとうめっきゃく)」と唱え、必死に耐えていたのです。
しかもメダカが今まで住んでいたのは、年寄りとヤギしかいないようなところ。
早い話が、こんな可愛い女の子を見るのは初めてで、どうしたらいいのかわからなかったのです。
この2人の “本心と態度が裏腹” なところが、見ているこちら側としてはたまらなく可愛い!!
モナは次にどんな手を使うのかと思っていたら、なんとここでライバル登場!?
メダカといるところをいつもチラチラ見ている春野つぼみ。どうせたいしたことない女だろうと思っていたら、教師の評判も良く、美乳で謙虚。
素(す)でイイ子は天敵やねん!!
つぼみが自分にないものを持っていることを知り、焦るモナ。
つぼみに負けないよう、さらにあの手この手でメダカに迫っていたら、それを見ていたつぼみからこんなことを言われます。
つぼみがいつも遠くから眺めていたのは、実はモナの方だったのです。
おかしな勘違いが、モナとメダカの関係を少しずつ変化させていきます。
今まで全く意識していなかったのに、急に意識し始める。こうしたちょっとした心の動きは、まさに人を好きになるきっかけと同じ。
『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』は、このちょっとした心の動きをすべて学校生活の中だけで見せてくれるところがいいのです!!
次はいよいよ文化祭。超絶エロ可愛いコスプレ姿のモナを見たメダカ、さぁどうする!!
私にしとき そしたら毎日ドキドキさせたる
このモナの呟(つぶや)きは、強気のモナをよく表していて好きなセリフなのですが、気づけばメダカより先に私がオトされてるかも!?と思い始めました。
それぐらい、モナの可愛いさと魅力がいっぱい詰まっている作品です。
レビュアー
「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。
公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp