お笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一さんが、今までに書いたゴミに関する本は5冊。中でも『ゴミ清掃員の日常』は、シリーズ累計10万部突破のベストセラー!!
まさにゴミのプロとも言える滝沢さんは、お笑い芸人としてよりゴミ清掃員としての立場が上だったりして……と冗談半分で思っていたら、なんと巻末のプロフィールに「本業はゴミ清掃員で、芸人は副業」と書いてあるではありませんか!!
しかも、正社員として7年も勤務し続けていることを知り、決してネタで言っているのではないとわかりました。
日頃からお世話になっているだけでなく、生きている限り一生お世話になり続けるゴミ清掃員さんのお仕事と日常は、“なるほど”の連続でした。
中でも感動したエピソードは、こちら。
どんな天気であっても、ゴミ収集車は必ずやって来てくれます。それがあまりにも当たり前のことになっていて、こんな苦労があることを知りませんでした。
逆に猛暑のときは意識が朦朧とし、幻覚が見えるのだとか。
今年の初め、ゴミ清掃員のストライキでパリの街にゴミが溢れ、ネズミが大量発生したというニュースがありました。
日本の街がどこに行っても綺麗なのは、こうした清掃員さんたちの体を張った頑張りのお陰なんですよね。
ゴミ清掃員さんと言えば、もの凄い勢いで走り回っているのを見て驚いたことがあります。
それまでのイメージは、まさにこんな感じ。
こんな素敵な先輩がいるから、こんな素敵な裏話も生まれるのでしょう。
多くの人間は、自分が得することを考えがちです。だから早く走った者の特権として軽いゴミを選び、楽をすると思うのですが、滝沢清掃員は違います。
しかもチームを組む相手や地区は固定ではないので、新人や初めて会う人だっているのです。
このエピソードは、誰も見ていなくても誠実に頑張っている人には、きっといつかご褒美があるよと実証してくれたようで、心が温かくなります。
家族の話も含め、全体を通してこうした優しい世界が広がっているのも、この本の魅力です。
滝沢さんに限らず、この本に出てくる清掃員の方々は、この仕事が大好きという
いい人ばかり。だからこそ私たちも、心してゴミ出しをしなければいけないと思うのです。
この本には、清掃員としての立場から見たゴミの出し方も、具体的に描いてあります。
特に今は、新型コロナウイルスがゴミの中に潜んでいる可能性もあるので、一層の注意が必要です。
また、ゴミ自体を減らすことも、とても重要です。
ある市では、ゴミの最終処分場の9割が埋まっていて、あと10年持つか持たないかなのだとか。
もし処分し切れなくなったときは、他の市に運ばなければならないので、税金が上がったり、有料袋を値上げせざるを得なくなると教えてくれます。
今まで、ポストに投げ込まれるたくさんの広告は、可燃ごみとして捨てるべきか、古紙としてまとめるべきかで迷っていたのですが、リサイクル可能な「資源」だとわかりすっきりしました。
では、化粧水のビン、マニキュアのビン、ごま油のペットボトルは、どのように捨てたらいいかわかりますか?
正しい分別の方法はこの本に描いてあるので、ぜひご自分で答え合わせをしてみてください!!
レビュアー
「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。
公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp