月刊ヤングマガジンで描く漁師めし漫画『海めし物語』! 珠子と沙奈々は念願だった“旅打ち”に出かけた先で超新鮮な魚料理に出会ってしまう。短期集中WEB連載でお届けしてきた最終回の第3回はコミックス第1巻発売直前! キーマン『シー魚澄』の秘密に、第2話「銚子の入梅イワシ」を特集!
Q 毎回極上魚の水先案内人として活躍する『シー魚澄』のモデルはいますか?
A 上田勝彦さん。通称“ウエカツ”さんという方がモデルです。元漁師・元水産庁職員という経歴を持ち、現在は魚食普及を中心に活動されています。そんなお魚のスーパーマンに、連載を始めるにあたりお話をお伺いしました。髭とねじり鉢巻きにTシャツエプロン姿がよく似合う、THE・魚の漢(おとこ)。お話は「環境的にハンデのあるほうが食文化は育つ」「魚は北が大量少種、南は少量多種」「九州の漁師はイカを追って北海道まで……」等々、多岐にわたりました。私は丸ごとのお魚を最後にさばいたのは10数年前、魚の旬は“サンマ……秋……オイシイ”くらいしか思いつかない人間で、せっせとメモを取るのがやっとでした。
第1話から。「海めし物語」のキーマン『シー魚澄』の初登場シーンがこちら!!
Q 第1話のキング・オブ・フィッシュ「マグロ」に続いて第2話の魚を庶民的な「イワシ」にした理由は?
A そのウエカツさんに教えていただいて決めました。「銚子の入梅イワシがおいしい。シーズン中はまるで雪を塗り付けたような白い脂がのっている」と(ウエカツさんの表現力は本当にすばらしい。魚の脂が雪ですよ!)。しかし入梅イワシは非常にレアなお魚だったのです。取材当日の朝になるまで食べられるかどうかわからないとのこと。意味がわかりませんでした。イワシは近所のスーパーにも並んでいるし、そもそも千葉県のイワシの漁獲量は全国1位だのに、銚子で手に入らないとは‥‥。そんな疑問もあり入梅イワシの取材はとてもおもしろかったです。
「雪を塗り付けたような白い脂がのっている」入梅イワシのフルコースの魅力を、サンコ先生の画力で余すところなく描ききってくれています!!
「都内に住む姉にも『スーパーで銚子もしくは千葉産の、反り返ったイワシを見つけたら買いだ』と知らせました。姉は西新井ア〇オで千葉産の反り返ったイワシを入手。『漫画のように身が骨から離れ、すっごくおいしかった!!』と度肝を抜いていました。」(サンコ先生談)
Q 思い出に残っているイワシ料理は?
A 一番は塩焼きです。塩焼きのふんわりした食感に「ウファッ……!」となりました。お刺身も驚くほどの口溶けで印象的でしたし、なめろうも味噌と薬味がとにかくいい塩梅でご飯が進みましたが、塩焼きのなめらかなワタのうま味は「あれ、今イワシ食べてるんでしたっけ」ってなっちゃいました。恋人と入梅イワシの塩焼きを食べたいです。いつか。
先入観を覆されるおいしさに出会える。これがまさにご当地で食べる醍醐味!