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2016.02.26

インタビュー

業界のゾンビ嬢、尾玉なみえ作品がヤバい(試し読み推奨)

尾玉作品が電子書籍になるということで、尾玉なみえ先生に直撃インタビューです。 はてさて、どんな話題が飛び出すことやら(笑)。

尾玉なみえ
尾玉なみえ

1995年、月刊アフタヌーン四季賞佳作でひっそりデビュー。『純情パイン』で第52回赤塚賞準入選、同作品で週刊少年ジャンプ連載。世にその個性的な作風で衝撃をあたえすぎて打ち切られる。次々に作品を発表し、次々に打ち切られるのに、しぶとく生き残っているので、いつしか業界では「ゾンビ」「おきあがりこぼし」「マッチポンプ」などの通り名が。2007年、『マコちゃんのリップクリーム』「月刊少年シリウス」にて連載開始。打ち切られておらぬせいで、いつしか業界では「ゾンビくずれ」「おきあがり待ちこぼし」「山火事」の通り名に。同作は初の打ち切られない完結作品となり全11巻で大団円。その後、同誌にて2014年から「よい子のための尾玉なみえ童話集」シリーズを開始。2016年現在シリーズ第1弾の『人魚姫』が単行本化され、シリーズ第2弾の『雪の女王』をありのままに連載中。

尾玉漫画が電子書籍化!?

──電子書籍化おめでとうございます!

尾玉: とうとう来たかという感じですね。

──みなぎるものがありますか?

尾玉: 無いといえば嘘になります。そこは、やはり電子ですから。

──電子ですか……。

尾玉: みなぎりを、嘘で、うらぎりにしてしまっては電子畑の読者様もたまったもんではありますまい?

──ふはっ! なみえ先生には、かないませんな(苦笑)。

尾玉: 紙の単行本を電子に分解するテクノロジーを待っての電子化は、尾玉のかねてからの希望でありましたからね。

──その紙へのこだわりがあったからこそ、テクノロジーの進歩を見据え、あえて待ったということでしょうか?

尾玉: 私ごときが、おこがましいことです。

──いやはや、おみそれしました。

尾玉: よしてください。そんなに持ち上げられても何も出ませんよ。

──出ますよ、電子で(笑)。

尾玉: おあとがよろしいようで(タブレットPCで顔を隠す)。

──待った待った! 幕引きが早すぎますよ!

尾玉: いけず言うイタズラ坊主に電子のお仕置きです(笑)。

──まったく! なみえ先生には、かないませんよ(爆笑)。

『純情パイン<完全版>』・『尾玉なみえ短編集 脳酸球』

電子とともに

──紙へのこだわりを持つ、紙一筋のなみえ先生が、電子によろめいたなどと言う輩もいるようですが?

尾玉: 言われるうちが華。電子にとっては、それも電子化できる事象でしかありませんでしょ?

──なみえ先生をここまでぞっこんにさせる、その電子について一つお聞かせ願いたい。

尾玉: てんてんを取ってみて。

──てんてん……とは?

尾玉: 電子のてんてんをとってごらんあそばせ。

──でんし……てんてんを取る? ……てんし? ……天使!?

尾玉: ほら、ごらんなさい。電子は天の御使い。高らかに鳴り響く自由へのラッパということですよ。

──なにやらキツネにつままれたような、この感じ……(絶句)。

尾玉: 広大なネットに圧倒されるあなたのような人にも、電子は寄り添い援け手となりましょうよ。

──トホホ……なみえキツネにしてやられてしまいました(爆笑)。

尾玉なみえ先生描き下ろしイラスト

このインタビューの為に描き下された電子天使の図。
地デジカのように使って捨てるがいいさ!

なみえから読者様へ

尾玉: 若いうちは良いのだけれど、年を重ねると電子のほころびにも気付くものでしょう?

──うって変わっての辛口ですな。ここは拝聴させていただきましょう。

尾玉: 電子と付き合う上で、避けては通れない箱根の関所といえば電磁波でしょう?

──聞いたことあります。

尾玉: これから10年もすれば、そら見たことかってなもんで、備えてなければあとの祭りです。

──うーむ……、その備えとは?

尾玉: お気づきでないかしら? 私のこの眼鏡(お鼻で眼鏡をクイクイするなみえ先生)。

──洒落た紅の眼鏡ですね。

尾玉: これが電磁波から守ってくれておるのですよ。

──やや! ただのお洒落ではなかったと!?

尾玉: この眼鏡さんのおかげで、電子と10時間むきあっても、目が充血して遠近感がおかしくなるぐらいで、おおむねへいちゃらというわけです。

──それはまた、やたらと幅のあるおおむねですな。

尾玉: 電子のほころび電磁波の仕出かす悪さに比べたら、おおむねとなりましょう。

──なんとも電磁波の悪さがどのようなものか皆目見当がつきかねます。

尾玉: この眼鏡を持って帰って、電子と向き合う時にかけてごらんなさい。

──いやいや。お高いものでしょう?

尾玉: いえいえ。お金はいただきませんよ。

──そんな、なみえ先生のご愛用のものですし、幾らかはお払いします。

尾玉: ただ、月に一度きりにオーラ力をその眼鏡に入れないことには、電磁波を遮断するシステムは働かなくなるもので……。

──オーラ力!? また新しい要素をするりと出しましたな

尾玉: その月に一度のオーラ力注入の時に3000円いただいちゃいます。

──やられた〜〜〜〜〜(笑)。

尾玉: してやったり☆(てへぺろ後に一同大爆笑)。

『少年エスパーねじめ<完全版>』313ページ・『マコちゃんのリップクリーム(1)』9ページ

和やかに進んだなみえ先生へのインタビュー。なみえ先生のユーモアあふれる語り口に酔いしれながらも、電子、電磁波、オーラ力と未来科学の知識を我々に吸収させるアクロバットトーク。 この語り口を見せられては、尾玉漫画の電子書籍を全巻買いの結末は我々は避けられそうにもありませんぞ(爆笑)。

聞き手:尾玉なみえ/構成:尾玉なみえ

担当者雑感

とりあえず尾玉先生が電子書籍について、何一つ理解していないことだけは伝わってきました。
ともあれ電子書籍は便利です。特に尾玉漫画のような「品薄」と「気恥ずかしさ」がつきまとう作品の場合、 自宅の本棚に並べているだけでも人格を疑われかねません。
そこで電子書籍です。買ったことが家人にバレず品薄にもなりません!
電子版尾玉漫画を購入される、それこそ天使のような皆様はお手持ちのPCタブレットを他人に見られないよう死守してください!!

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