お待たせしました! 大ヒット中の『春待つ僕ら』最新第4巻が2月12日(金)に発売になります! それを記念して、作者のあなしんさんにインタビュー! なんと、あなしんさんのインタビューはこれが初めて。今までやってなくてすみませんでした。貴重な初インタビュー、ぜひ読んでくださいね!(インタビュー&文/編集長兼担当しーげる)
2010年『ナナナキハチワライ』でデビュー。デザートにて連載中の『春待つ僕ら』が大ヒット中。他に『ヒレントリップ』、『あくまで恋しよう』、『ユメコイ』など。
──初めてのインタビューで、今日は緊張されてるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします!
あなしん: うまく喋れる気がしないんですけど、大丈夫でしょうか? でも、頑張ります。
──普段通り話していただければ大丈夫ですよ。気楽にお願いします! いよいよ『春待つ僕ら』最新第4巻が発売になりますね。これでカバーも四天王全員勢ぞろいになりますが、4巻の見どころはどんなところでしょう?
あなしん: 見どころと言ってよいのか分からないですけれど、バスケの試合を結構頑張って描いたので、試合……でしょうか。初めて試合をちゃんと描いたので、カッコよく描きたいけれど、変にカッコつけててもダメなのでバランスが難しくて。それでも、みんなをカッコよく見せるにはどうするか考えながら、頑張って描いたつもりです。
──カッコよかったですよ! 取材で何十試合も観た成果も出てました!
永久もあやちゃんも、試合でも魅せてくれてます!
あなしん:読者の方にもそう思っていただけるといいんですが……。あと、4巻は全編通してこれまでと違う雰囲気なのと、試合に始まって夏休みの遊園地初デートまで入って盛りだくさんな巻になったと思うので、楽しんで読んでもらえたら嬉しいです。
──確かに、シリアスからワイワイ楽しくまで、変化の多い巻になりましたね。4巻は、この起伏の豊かさを堪能してほしいです。ところで長期連載も初めてですよね。4巻まで来て、連載始めた頃と何か心境の変化ってありますか?
あなしん: 最初はなんでも出来ましたが、4巻まで来るとキャラクターも定まってきたり、読者の方にもイメージが出来上がってきたりで、キャラを動かすのが難しくなってきたなと思います。でも、挑戦的な部分だったり、最初の頃のよさをなくさないようにしたいなとは、いつも思ってます。
──遡って、連載始めた最初の頃はどんなことを考えてました?
あなしん:前作の『ヒレントリップ』が暗いところ、シリアスなところが多かったので、今回はとにかく明るく楽しい気持ちに! 自分もそういう気持ちになって描いて、読んでくれる方にも明るく楽しくなっていただけたらと思ってました。あと、『ヒレントリップ』のよさや反省は活かしたいと思っていたので、研究したり意見を聞いたりしましたね。
──その甲斐あってか『春待つ僕ら』は、みんながワイワイ楽しんでるシーンが印象的な連載になっていますよね。見てるだけで楽しい、ってすごいことだと思います。
いつも楽しそうで、思わず混ざりたくなる高校生活!
──それからここまで連載してきてる中で、どんなことを心がけたりしてるんでしょうか?
あなしん:設定的に「王道」と言われることが多いですけど、その中でも自分らしさを出せるようにと心がけてます。絵でもキャラクターでも笑いでも。特に「笑い」は自分がやってきた環境が出ると思うので頑張りたいと思ってます。とはいえ、「カッコいい」とか言っていただけたら、それも外さないようにとも思います。案外、人から褒めてもらえた部分こそ、自分らしさだったり自分の長所だったりすると思うので。
──なるほど。では、あなしんさんの長所の一つでもありますが『春待つ僕ら』には魅力的なキャラクターがたくさん出てきます。その中でお気に入りのキャラをあえて決めると誰でしょうか?
あなしん:レイナちゃんと竜二です。
──即答だ(笑)。コメディメーカーの2人なんですね。
あなしん:そうですね。この2人は自分らしさを出しやすいし、キャラも作りやすいんで。この2人がいるから、他の作品とは違う部分、笑える部分を作りやすくて助かってます(笑)。
──では、お気に入りのシーンは?
あなしん:永久が寝ぼけててドアにぶつかるシーンと、2巻のみんなでバスケしてる時に美月が永久にボールをぶつけるシーンです。いつもカッコいいキャラがあんな風になってるのが好きで……(笑)。
『春待つ僕ら』第3巻P.10〜11
『春待つ僕ら』第2巻P.62〜63
読んでて思わず「痛っ!」と声が出てしまうけど、永久の天然さゆえか笑いがじわじわくるんですw
──そこ、僕もすっごい好き! 間が抜群過ぎて何回読んでも笑ってしまう。
あなしん:本当ですか? 嬉しいです。私もここは描きながら笑ってました。特に、バスケのボールが当たった後のみんな笑ってるところは好きで。でもそこは、あまり人に言ってもらえないんですけどね。
──後ろのダンクのインパクトがありすぎるからですよ、きっと。あと僕は4巻のタオルを返すくだりも好きです。ああいう、ちょっとしたズレが本当にうまいなあと思う。ちなみに、描いてて一番楽しい時ってどんな時です?
あなしん:エピソードがパズルみたいにうまくつながった時です。プロットでつながる時もあれば、ネームでつながる時もあるんですが……とにかく、乗ってるってことなんですかね。1話の中にそれが何回もあると出来もよい気がします。
──逆に描いてて大変だった時は?
あなしん:登場人物が多いのでそもそも作画は大変なんですけど、みんなをカッコよくと思うとなかなか終わらないのが大変ですね。試合も慣れてないせいかもしれませんが、苦労しました。でもいつまで経っても大変なのはキュンキュンしてほしいシーンです。掛け合いは描きやすいんですけど、ゆっくりしたいい雰囲気のシーンは特に難しいです。
──そうとは思えないほどすごくうまく見えるのに。
夜、二人きりでゲン担ぎするシーンはとっても印象的!
あなしん:そう感じさせないように絵を頑張ったりしてます。なんとか。
──わああ、そうだよね。うん。そういう思いがちゃんと伝わるんだろうな。毎回ありがとうございます。これからもキュンキュンシーン、まだまだ描いてくださいね。
あなしん:はい。もちろん(笑)。
──ところで、ちょっと話は変わりますが、あなしんさん自身もバスケ部だったということで。自分の経験を活かしてるところってありますか?
あなしん:自分の学校は弱小だったのであまり役に立ってないですけど。遠征とかに行って強い学校の男の子や女の子を見た時に「ワ──ッ」とワクワクする感じがしたのはよく覚えていて、『春待つ僕ら』に出てくる男の子たちを見ている子たちの気持ちは分かるかなと思ってます。あと、試合の緊張感とかはイメージしやすいのかもしれません。
──バスケ以外の部分で、自分の経験や取材を活かしてるものはあります?
あなしん:こういう設定の作品を描きたいと思ったのは、きっかけがあって。野球部のマネージャーをやってた友達がいるんですけど。その子が卒業してからも部員たちといい友情を築いていて、特別な仲のよさで。ただの友達でもなく、恋愛でもなく、本当に特別な絆を感じる関係で。たまに集まりに呼んでもらったりしていたんですけど、いいなあと思って。きっといろんなことを一緒に乗り越えてきたんだろうなと思えて、キラキラ見えてとても羨ましかったんです。
──そういう関係、すごく素敵ですよね。
あなしん:永久とあやちゃんって、美月についてもバスケについてもライバル関係になってて、永久もまだまだこれから色々と乗り越えなきゃいけないし……。バスケだと他の3人も含めてサポートし合わないといけないし。恋になると3人がメインだけれど、これから瑠衣や恭介もからんできて何かあるだろうし……。まだ言えない部分が多いですが、みんながみんな関係して、より深くなっていければなと……。
4巻でも、これまでより絆が深まるシーンが出てきます!
──うんうん。
あなしん:それぞれの乗り越えなきゃいけないこと、成長しなきゃいけないことがあるとして、恋愛もそういうことを通して、特別な仲に育っていってほしいし、描いていけたらなと思います。今までも仲良くしているけど、もっと深いところでみんなが繋がれるように、深めていきたいです。
──おおお。すごい楽しみです。ぜひ、そこまで描ききってほしい!
あなしん:頑張ります。
──最後に。4巻も描き下ろしたっぷりで、デザート4月号と連動の応募者全員プレゼント用の描き下ろしもしてくれて、色々本当にありがとうございます。
あなしん:いえいえ、こちらこそです。私は絵を描くのが好きなので、自分の絵をグッズにしてもらえるのはすごく嬉しいです。小さい頃、付録とかあるの嬉しかったので、自分の絵をポストカードや缶バッジにしてもらえるなんて、むしろ感激してます。読者の方にも喜んでいただけたら嬉しいです。
『春待つ僕ら』4巻とデザート4月号の連動で、特製缶バッジセットを応募者全員にプレゼントします! 詳しくは、『春待つ僕ら』4巻に封入されてるハガキをご覧ください!
──ではでは、そんな読者の皆さんにメッセージを。
あなしん:読んでくださる方がいるからこそ、漫画を描けているので本当に感謝してます。私は特に自分の作品に自信がない方なので、「感動しました」とか言っていただけると、もっと描こうと思えて頑張れます。これからも応援してください。よろしくお願いします!
──今日は、どうもありがとうございました!
©あなしん/講談社