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2026.11.07

レビュー

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警察官×犯罪者のバディが捜査開始! 犯罪者が蠢く地下世界を描く超暴力漫画『アンダーエッジ』

真実を追う元特殊部隊員と狂気の改造人間が挑む近未来アクション

『アンダーエッジ』は、「good!アフタヌーン」ほかにて連載中の近未来ハードコア・バイオレンスアクション。著者の平尾じゅうろく氏は、過去に四季賞において『消えない尿の泡』で注目を浴びた新人であり、本作はそのクセがありつつも躍動感あふれる画力と過激な描写で、早くも話題を呼んでいる。

主人公は、警察官の霧島一郷(きりしまいちごう)。
彼は過去に発生した凄惨な「SAT隊員銃殺事件」の数少ない生き残りであり、その事件以降、現場から離れた部署でくすぶる日々を送っていた。
しかし、事件の主犯とされている先輩隊員の無実を固く信じる霧島は、自らの手で真相を解き明かすために、「SIT5(特殊事件捜査係)」への転属を志願する。

念願叶ってSIT5係へ配属された霧島。しかし、そこで彼を待ち受けていたのは、人知を超えた異常な身体能力を持つ犯罪者たちや、正体不明の殺人鬼による凄惨な猟奇殺人事件の数々だった。
常人の力では到底太刀打ちできない極限の状況下で、組織が霧島の相棒(バディ)として選んだのは常人離れした戦闘能力を持つ「犯罪者」、備後飛葉(びんごとぶは)。飛葉は身体の一部に戦闘に特化した禍々しい義肢を装着した改造人間であり、倫理観の欠如したイカれた性格の持ち主である。
真面目でストイック、かつ真実を追い求める元特殊部隊員の霧島と、狂気を孕んだ戦闘狂である犯罪者の飛葉。決して相容れないはずの二人が、危険すぎるバディとして手を組み、地下に潜む悪党どもを過激に「取り締まって」いくことになる。

共通の敵を前に、いがみ合いながらも血みどろの捜査を進めていく二人。手に汗握る怒涛のストーリーが幕を開ける。

相反する二人が生み出す絶妙な狂気と、躍動感あふれるアクションシーンの魅力

本作の最大の魅力は、なんといっても「交わるはずのなかった二人のバディが生み出す、歪でスリリングな化学反応」にある。バディものの作品は数多く存在するが、本作における霧島と飛葉のコンビは「お互いへの信頼や友情」といった生ぬるいもので結ばれている関係ではない。

霧島は飽くまで「SAT隊員銃殺事件」の真相に辿り着くための手段としてSIT5係に身を置いており、一方の飛葉は、敵を蹂躙すること自体を目的としているかのような常軌を逸した「イカれた」キャラクターとして描かれている。一歩間違えれば同士討ちすら起きかねない危うい関係性が、物語全体に常にヒリヒリとした緊張感をもたらしている。

目的も性格も相いれない二人が、強大な異常犯罪者という「共通の敵」に直面したときに見せるコンビネーションは、読者に強烈なカタルシスを与えてくれる。霧島の元特殊部隊員としての戦術眼や冷静な判断力と、飛葉の義肢から繰り出されるデタラメで暴力的なパワー。この相反する二つの要素が噛み合った瞬間の爽快感は、本作ならではの醍醐味だと言えるだろう。

第1巻の段階では、お互いを利用し合っているような関係として描かれているが、この「水と油」の二人が死線を潜り抜ける中でどのような絆(あるいは執着)を築いていくのか、今後の展開への期待が大きく膨らむ。

その過激な物語を根底から支えているのが、平尾じゅうろく氏のクセがありつつもハイレベルな躍動感を感じる画力である。近未来の冷たく退廃的な空気感や、暗躍する悪党たちの不気味な造形が独特のタッチで描かれており、気づくとそのダークな世界観へと引き込まれていく。

特に注目すべきは、バイオレンスアクションにおける容赦のない身体破壊描写と躍動感。飛葉が戦闘用義肢を使って敵を粉砕するアクションシーンは、残虐かつ凄惨な暴力表現を含みながらもどこかスタイリッシュであり、彼女の瞳に宿る狂気が読者の網膜に強く焼き付く。
また、単なる派手なアクション漫画に留まらず、霧島が追う「SAT隊員銃殺事件」の謎というサスペンス要素が、物語の大きな推進力になっている点も見逃せない。なぜ先輩隊員は事件を起こしたのか。本当に、誰かに嵌められたのか。そして、地下社会で頻発する人智を超えた猟奇殺人の裏に、どのような巨大な陰謀が隠されているのか。第1巻ではまだ多くの謎が散りばめられた状態だが、緻密に練られた世界観の片鱗が垣間見え、ミステリーとしての読み応えも十分に備わっている。

総じて『アンダーエッジ』は、骨太なサスペンスと過激なハードコア・バイオレンスアクションが高度に融合した、非常に高いポテンシャルを感じる作品と言える。倫理観のタガが外れたダークな世界観や、血飛沫が舞う容赦のないバトル描写。『ブラック・ラグーン』や『ドロヘドロ』のような、少しイカれたダークな世界観と激しいアクションが好きな方にはたまらない作品になるだろう。

レビュアー

奥津圭介

編集者/ライター。1975年生まれ。一橋大学法学部卒。某損害保険会社勤務を経て、フリーランス・ライターとして独立。ビジネス書、実用書から野球関連の単行本、マンガ・映画の公式ガイドなどを中心に編集・執筆。著書に『中間管理録トネガワの悪魔的人生相談』、『マンガでわかるビジネス統計超入門』(講談社刊)。

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