真実を追う元特殊部隊員と狂気の改造人間が挑む近未来アクション
主人公は、警察官の霧島一郷(きりしまいちごう)。
彼は過去に発生した凄惨な「SAT隊員銃殺事件」の数少ない生き残りであり、その事件以降、現場から離れた部署でくすぶる日々を送っていた。
しかし、事件の主犯とされている先輩隊員の無実を固く信じる霧島は、自らの手で真相を解き明かすために、「SIT5(特殊事件捜査係)」への転属を志願する。
念願叶ってSIT5係へ配属された霧島。しかし、そこで彼を待ち受けていたのは、人知を超えた異常な身体能力を持つ犯罪者たちや、正体不明の殺人鬼による凄惨な猟奇殺人事件の数々だった。
常人の力では到底太刀打ちできない極限の状況下で、組織が霧島の相棒(バディ)として選んだのは常人離れした戦闘能力を持つ「犯罪者」、備後飛葉(びんごとぶは)。飛葉は身体の一部に戦闘に特化した禍々しい義肢を装着した改造人間であり、倫理観の欠如したイカれた性格の持ち主である。
共通の敵を前に、いがみ合いながらも血みどろの捜査を進めていく二人。手に汗握る怒涛のストーリーが幕を開ける。
相反する二人が生み出す絶妙な狂気と、躍動感あふれるアクションシーンの魅力
霧島は飽くまで「SAT隊員銃殺事件」の真相に辿り着くための手段としてSIT5係に身を置いており、一方の飛葉は、敵を蹂躙すること自体を目的としているかのような常軌を逸した「イカれた」キャラクターとして描かれている。一歩間違えれば同士討ちすら起きかねない危うい関係性が、物語全体に常にヒリヒリとした緊張感をもたらしている。
目的も性格も相いれない二人が、強大な異常犯罪者という「共通の敵」に直面したときに見せるコンビネーションは、読者に強烈なカタルシスを与えてくれる。霧島の元特殊部隊員としての戦術眼や冷静な判断力と、飛葉の義肢から繰り出されるデタラメで暴力的なパワー。この相反する二つの要素が噛み合った瞬間の爽快感は、本作ならではの醍醐味だと言えるだろう。
第1巻の段階では、お互いを利用し合っているような関係として描かれているが、この「水と油」の二人が死線を潜り抜ける中でどのような絆(あるいは執着)を築いていくのか、今後の展開への期待が大きく膨らむ。
その過激な物語を根底から支えているのが、平尾じゅうろく氏のクセがありつつもハイレベルな躍動感を感じる画力である。近未来の冷たく退廃的な空気感や、暗躍する悪党たちの不気味な造形が独特のタッチで描かれており、気づくとそのダークな世界観へと引き込まれていく。
特に注目すべきは、バイオレンスアクションにおける容赦のない身体破壊描写と躍動感。飛葉が戦闘用義肢を使って敵を粉砕するアクションシーンは、残虐かつ凄惨な暴力表現を含みながらもどこかスタイリッシュであり、彼女の瞳に宿る狂気が読者の網膜に強く焼き付く。
総じて『アンダーエッジ』は、骨太なサスペンスと過激なハードコア・バイオレンスアクションが高度に融合した、非常に高いポテンシャルを感じる作品と言える。倫理観のタガが外れたダークな世界観や、血飛沫が舞う容赦のないバトル描写。『ブラック・ラグーン』や『ドロヘドロ』のような、少しイカれたダークな世界観と激しいアクションが好きな方にはたまらない作品になるだろう。








