ほどけていくのは、想いか、それとも関係か
結ばれていたものが、静かにゆるんでいく。
固く守っていたものが、少しずつ揺らいでいく。
『きみにほどけて春嵐』というタイトルを見たとき、この“ほどけて”という響きが強く心に残りました。
それはきっと、誰かに出会うことで、これまでの自分ではいられなくなる瞬間のこと。
けれどこの物語でほどけていくのは、何かを手放すことではありません。
変わらないはずの想いの中に、もうひとつの感情が入り込んでくる。
その“揺らぎ”が、静かにほどけていく。
そんな瞬間を描いた、昭和のピュアラブストーリーです。
“弟のような存在”が、恋になるとき
しかし明士はどこかそっけない……。
しかも「姉だと思ったことは一度だってありません」と、突き放すような一言まで。
変わらない想いと、変わってしまう感情
その気持ちも理解できるからこそ、つゆ子は葛藤していく。
そんな中、少し焦った明士が突然の告白。
思わず本心がこぼれてしまった明士のイケメンっぷりと、照れ隠しの可愛さが、年下男子好きの心を一気に奪います。
大人の余裕か、年下の一途さか
しかし、縁談相手の高柳もまた、包容力のある魅力的な男性。
時代を映す、丁寧な恋のかたち
舞台は大正から昭和初期へ。女中と旦那の恋から、令嬢と年下学生の恋へと描かれる関係性の変化も見どころです。
和装や和髪が美しいヒロインと、丁寧な時代描写。
その中で描かれる“溺愛”の温度に、今回もたっぷり浸れること間違いありません。
“ほどけた先”にある答え
女の幸せ、自分の覚悟、そして夢。
変わらない想いと、新たに芽生えた感情のあいだで揺れる彼女は、どんな選択をするのか。
その答えを見届ける日が、待ち遠しくなる一作です。








