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2026.06.02

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どんな変態でもお相手します。現役大学生風俗嬢のただならぬ日常『ノカゼのピンクなトリセツ』

風俗嬢ノカゼの、ごく普通の毎日

主人公のノカゼは、昼は大学で学ぶ女子大生で、夜は風俗で働いている。彼女が、いつも予約満員の人気風俗嬢であるのにはワケがある。それは「どんな変態の客でもOK」だということ。第1話目の冒頭から、次から次へと変態エピソードがポンポン飛び出すのだが、そんなことは彼女にとって “日常”にすぎない
ONとOFFはきっちり分ける。
だって、変態さんはノカゼの大切な金づるだもの♡
私は銭ゲバ
「スマイルぼったくり」
変態相手に
「スマイル0円」
みたいな気前ええ商売してられへんねん
それでも会いたいなら
ちんちんから骨の髄までしゃぶり尽くされるつもりで
お店においで〜
ノカゼ、つ、強い!
愛犬ソルトとシュガーのために風俗店で働き、大学ではきっちりフル単をキメる! そんな彼女のまわりには今日も今日とて変態がいっぱい。ページをめくればそこに変態がいるって感じ。

そんなある日、ヤニを入れるために立ち寄った大学の喫煙所で、同じゼミ生の竿崎海蔵と遭遇。彼は現在、美容整形への課金が止まらない状態。しかも……、禁断の領域に足を踏み入れていた!
竿崎曰く“清楚系で控えめな彼女”に浮気されたうえに
君のチンコもセックスもクソつまんねぇ
と言われ “改造チンコ”を始めたのだ。最初は自信がついたが、彼女の言葉を思い出すたびに不安に襲われ、改造を繰り返し、そして、そして……、方向性を見失なった。
どこをどう改造すれば
特別で完璧になる!?
ちょ 一瞬見て!
頼む!
と、チンコをぼろりん……(安心してください、誌面ではモザイクがかかっています!)。
ヒアルロン酸注射100回の末に第3のタマと化した先っぽ。
ギャルのネイル並みに埋め込まれたボールやリング。
さらに暗闇で光るらしい……(ゲーミングPCか!)。
チンコの気持ち考えろよ
かわいそうやろ!
うん、そう思う! 同意しかない!
どうすれば誰もが認めてくれる
飽きられない・・
特別なチンコになれてたのかな・・・・?
そんな竿崎にノカゼは言う。
そう言われて竿崎は、 “改造チンコ”を中途半端に終わらせることなく、自分の美学を貫徹することを決意する。
その道を行けば、ちんちん爆発間違いなしの「地獄のデス・ロード」だけどな!

「タダでチンコ見てしもたで‥‥もったいなぁ」といいつつ、ノカゼはこう思う。
人間なんて近づいてみれば
大なり小なり
みんな違ってみんな変態
出くわしてしまった変態を
切り抜けていくのが私の人生
誰よりも自分が一番イカれてれば
変態だらけのこの世でも
強く生きられる
なんだ……、この感じ。なんか“尊い知恵”に触れた気がする! それが証拠に、松重豊が『孤独のグルメ』の五郎さん風にこの言葉をつぶやいたら、納得しそうじゃないか!(注:そもそも五郎さんは、そんな“尊い知恵”をつぶやきません)

ほら なけよブタ野郎

この作品は、毎回異なる変態さんが現れる1話完結の物語だ。
風俗店で軒並み出禁をくらっている伝説のアナル男と、その男に惚れた剛力女。
老いぼれていく自分を嘆きながら、AV鑑賞をやめられない大学教授。
女を抱くためにプライドを捨てすぎて、股間に人格を乗っ取られた同級生。
コミュ障をこじらせて、無理心中かセックスかを迫る童貞風俗ドライバー。
なかでも、親に医大進学を押し付けられ、9浪中の男が出来心でノカゼに痴漢をしてしまうエピソードが最高だ。むろん、そんなヤワな男にやられるノカゼじゃない。
警察に突き出すなんてもったいない。週1回の2年間の掃除代行、約120万円分の労働をカツアゲする。そこに、男のお母さんが電話をかけてきて、「遊んでる暇ないでしょお!」「私の若い時間を犠牲にして〜」「私の人生台無しに〜」とヒステリックな声を上げると……
見事なM調教! いや、注目すべきはそこじゃない!
イカれた奴倒す方法は
そいつよりイカれることや
イカれてしまえ
もう限界なんやろ?
ほら なけよブタ野郎
なんと慈悲に満ちた女王様なのだろう。

人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない。
坂口安吾はそう言った。
あるべき自分の姿と、そこからかけ離れた自分。トラウマ、コンプレックス、その他云々。いまどきはSNSで、匿名の仮面を被って違う人格を作り上げ、自分の中の暗い穴を埋めるのが流行っているようだが、今もなお “性的な関係”において暗い穴に光を当て、表出させる行為は有効だ。それが俗に「変態行為」と呼ばれるものであろうと、他者を傷つけたりしない限り、なにを責められようか。ノカゼの「ほら なけよブタ野郎」という言葉は、まごうことなき“愛の言葉”なのだ。打ち震えろ!

レビュアー

嶋津善之

関西出身、映画・漫画・小説から投資・不動産・テック系まで、なんでも対応するライター兼、編集者。座右の銘は「終わらない仕事はない」。

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