崩壊フェーズ1 ゾンビ大量発生からの青春謳歌
こうして四楽羽はゾンビになった……。と思ったら、意識は人間の時のまま。体はゾンビだから、ほかのゾンビに襲われることもない。借金取りもいない。いやいや金なんて必要ない。ということで、ゾンビライフを楽しむことにした四楽羽。服屋で好きな服を選び、高級缶詰を食べて、行けなかった高校でゾンビ高校生たちと学生生活を送ることに!
そうなるとウザいのが、中途半端に生き残って、ピストルをパンパン撃つ人間ども。
「ゾンビなんて殺される側だろうが!!!」と息巻くチンピラに、わからせてやろう新世界の秩序!
特殊変異体、そして魔女の登場
そして四楽羽は覚醒する!
その頃、生き残った人間たちを救出する特殊救助部隊「D・P・S(デプス)」が街のゾンビを掃討していた。部隊は四楽羽が通う高校に乗り込み、友人ゾンビ「鈴木(女)」と「田中」に銃口を向ける。生前、「鈴木」に恋していた「田中」が弾除けとなり、それがトリガーとなって「鈴木」は特殊変異体となり「D・P・S」に襲いかかる。
「彼女をこれ以上“殺す側”にしちゃダメだ!!」
そこに、あの女が現れる。
彼女の目論見は何なのか?
彼女が四楽羽で何をしようとしているのか?
青春のやり直しとしてのゾンビ譚
作者が意識しているのかどうか、正直分からない。深読みし過ぎだと言われれば、そうかもしれない。それでもやはり「人類はコロナウイルスに敗北した」という事実がなければ、この物語は生まれていないと思う。
ウイルスの前で人間は無力で、あっという間に感染する。
そして終末とは、滅亡も許されない、ただ緩慢な停滞であることを私たちは知ってしまった。
だからこそ、四楽羽はあっけなくゾンビとなり、同時に人間の感情を持ってグダグダとゾンビライフを送るのだ。
オレは今‥‥
ソンビか人間か‥‥
どっちで生きたらいいのか‥‥
何を守って
何を大切にして
何のために生きていけばいいのか‥‥
分かんないんだよなぁ
オレが大切だと思うものを大切にして
オレが守りたいと思うものを守って
オレはオレとして生きて‥‥
いつかもう一度死ぬ時は‥‥
笑って死んでやるって決めた
コロナウイルスによる第1回緊急事態宣言が出たのが2020年4月。それから6年経った。忘れてならないのは、本来であれば友だちと過ごすはずだった(濃密な)時間を奪われた若者たちがいるということ。彼らが手に入れられなかったものと、ゾンビになって初めて学校に行きスクールライフを取り戻す四楽羽の姿が、どうしても被ってしまう。
どうかな? 考えすぎかな?








