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2026.01.25

レビュー

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妖怪、心霊、宇宙人!? UMAを激写せよ! ドタバタオカルト学園コメディ『オカルトタイムズ』

「可愛い」が溢れまくるオカルトコメディ

「オカルト」とは、神秘的・超自然的なものを指しますが、なんとなくうさんくさいイメージを持たれがちな印象。そんなワードをタイトルに冠した本作は、やっぱり怪しい雰囲気をまとっている……と思いきや、数ページめくるだけでそんな先入観など軽く吹っ飛んでしまうでしょう。

すでに表紙からもビンビンに漂っていますが、本作にはひたすら「可愛い」が溢れています。舞台となるのは、ハザマ学園高等部。主人公は、新入生の鏡屋(かがみや)レイ。彼女の夢は報道カメラマンということで当然、新聞部への入部を希望します。ところがこの新聞部、実はオカルトを扱う超怪しい部活でした。追いかける話題は社会問題や学校で起きた事件ではなく、宇宙人やビッグフット、ツチノコといったUMA(未確認動物)です。そんな怪奇新聞部の編集長を務めるのが、もうひとりの主人公、星川(ほしかわ)シロ。

オカルト系にまったく興味のないレイは、早々に立ち去ろうとするのですが……。
そう、レイは大の猫好き。たった1個の猫チャーム(UMAですが)に釣られて、彼女はまんまと新聞部に入部。こうしてふたりの名コンビ(?)による、オカルト探索が始まります。

編集長シロの正体は……!? レイの猫好きが止まらない!

シロの正体は猫……! そして超猫好きなレイはシロの姿にもうメロメロ。実はこのシーン、ちゃんと幽霊も登場しているのですが、幽霊そっちのけでシロの猫化しか目に入らないレイ(と読者である私)。シロとレイが口にする「本物」というワードの意味がそれぞれに異なっていながら、会話自体は成立しているという「ズレ」の面白さについニヤニヤしてしまいます。

また、編集長歓喜のビッグフット登場シーンでは、こんな展開が。
カメラを構えたレイが激写しているのはビッグフットではなく必死に動き回るシロだったという、猫好きとしてブレない行動を取るレイの猫オタクっぷりも笑いを誘います。猫が興奮したり警戒したりする際に出現するアクション「やんのかステップ」をさらりと登場させる、猫好きにはたまらない演出もニクい。

次々登場するUMAたち! ハイクオリティな「可愛いビジュ」にも注目

オカルトを徹底調査する新聞部ですから、様々な不思議体験に遭遇します。宇宙人に連れ去られたり(専門用語で「アブダクション」と言います)、先ほどのビッグフットのような謎の生物と出くわしたり。

新キャラとして登場する、ハザマ学園の風紀委員長・大神ツキヒ(おおがみつきひ)も、ただの生徒ではありません。
新聞部を「三流オカルト新聞」とディスるなど、ファーストインプレッションは、手ごわいライバルといったところ。しかしその正体は――
獣感たっぷりな人狼だった風紀委員長。猫と人間のコンビでは、この獰猛そうな相手にかなり苦戦するのでは、というのが大方の予想かと思います。ところがレイは「ただのバカデカい犬ですよね…?」と一蹴。私は犬派じゃなく猫派なんで、と興味を示さないレイに、シロは大慌て。一方、普段は狼であることを隠しており、こっそり変身したところをうっかりシロとレイに見つかってしまった大神は、狼だとバレてしまうのは都合が悪いため、この流れに乗じて犬になりきります。
完全に犬扱いされて屈辱を感じながらも、なぜか幸せな気分に浸ってしまい、さらなる満足感を求めてより一層犬丸出しの行動に出る大神。
これはもう、本能ってやつです。犬化する大神も可愛いのですが、犬を愛でるレイに嫉妬してしまう、シロのキャラクターもこれまたいじらしくて、可愛い。(……犬、犬、言ってますが、大神は一応狼です笑)。

そして個々のUMAはもちろんのこと、風紀委員長・大神の衣装から、擬音や登場キャラたちの肩書などを表現する手書き文字に至るまで、全編にわたって「可愛い」で満たされているのが、本作の大きな魅力。キャッチーなビジュアルやキャラクターたちの性格に代表される「可愛い」に、散りばめられたコメディとしての面白さが加わり、ページをめくるごとに楽しく、そして幸せな気持ちになれる。

誰かが傷つくようなスキャンダルなんてない、怪異&可愛い一直線の「オカルトタイムズ」が放つ次なるスクープが、待ち遠しくてたまりません!

レビュアー

ほしのん

中央線沿線を愛する漫画・音楽・テレビ好きライター。主にロック系のライブレポートも執筆中。

X(旧twitter):@hoshino2009

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