そういう話だったのか
ストーリーは1話完結。カラオケ店を舞台にしたほのぼの展開に気を抜いていると、急転直下のバッドエンドが訪れる。「さすがに今回はノートラブルか?」と思った回もやっぱり絶望からは逃げられない。しかしその読み味は不思議と軽く、「うわあ……」と言いながらもついページをめくってしまうのだ。
欲望の街・歌舞伎町で営業中の「カラオケにゃん」。場所柄なのか、客層がいいとは言いがたい。この日もスタッフにセクハラし、女性たちの部屋に突入してナンパをくり返す困ったサラリーマンが来店している。
歌舞伎町を行き交う人の心と同じくらい、この漫画の展開は読めない。ひとときの癒しを得て、笑顔で店をあとにしたように見えたあのサラリーマンの末路もそうだ。
強面だけど穏やか、なのに顔にでっかい傷があるとしくにさん。謎多き人だ。なぜ、こんな大きな傷があるのだろう。その理由はすぐに明らかになる。
優しさと、包容力と、地獄
深い闇を抱えているのは、としくにさんにも言えることだ。としくにさんはもう決して戻らない日々のことを思いながら今を過ごしている。
十人十色の闇の果て
すべての真相が明らかになったとき、人々にささやかな救いを与えてきたとしくにさんにはどんな「救い」があるのだろう。それとも救いなんてないのだろうか。あるいは思いもよらぬ真相が浮かび上がるのか。いずれにせよ、最後に描かれるのは、きっと、ただグロテスクなだけの何かではないと思うのだ。
続きが気になりすぎて、最新話まで追いかけてまた違う“闇”を見てきた。オムライスにあんなかわいいデコレーションができるとしくにさん。その温かさに触れるたびに、読者としてもほっとしてしまう。としくにさんに本当の意味での救いが訪れますように。そう祈らずにはいられない。







