「婚約破棄すると言ったんだよ、メルフィー」
居場所を失ったメルフィーは、義母と義妹の言いつけで、「心まで氷の魔術師」と悪名高い“冷酷公爵”こと、ルーク・メルシレス公爵の元に料理人として働きに出ることに。それは、料理人を次々とクビにするという公爵の元にメルフィーを送り込み、彼女を路頭に迷わせようという義母と義妹の陰湿なたくらみだった。


そういうときは手間がかからず、洗い物が少なくて済む「鮭のホイル焼き」とか「そうめん」を提案するものなの!
しかし、ここはサンルーナ王国。アルミホイルやそうめんは存在しない(たぶん)。
このルーク公爵、オーダーは雑なのに、食へのこだわりは人一倍。「私は食に命をかけている」と語り、氷魔法で食べ物が腐らない魔道具(冷蔵庫)を作ったり、新鮮な魚や肉が手に入るように交通網を整備して市場を拡大したりと実に熱心。というのもルーク公爵は、長い戦火で廃れた食文化の復興を目指していたのだ。なら、余計に「別になんでもいい」はないだろうに……、と思うけれども、そこはそれツンツンのツンの設定だ。
しかし、ここでトラブル発生! メルフィーに付き添ってきたメイド(義妹アバリチアの手先)が、食料庫や冷蔵庫を荒らしてトンズラこいたのだ。どうする、メルフィー!

使えそうな食材をかき集めて作ったのはコレ!
はいキタ、ドーン。

そしてルーク公爵は、表情を変えず、でも少し頬を紅潮させて料理を食べ……

食べたのが「出逢いのアクアパッツァ」だけに、こいつは一目惚れだね!
かくしてメルフィーはルーク公爵の料理人として居場所を得る……って、いい調子で第1話目を紹介したけれど、この漫画のタイトル『婚約破棄された飯炊き令嬢の私は冷酷公爵と専属契約しました ~ですが胃袋を掴んだ結果、冷たかった公爵様がどんどん優しくなっています~』が、すでに全部説明してくれているじゃないか!
この漫画、レビュアー泣かせですよ。マジで。
早く「ざまぁ!」を見せてくれ!
ルーク公爵以外のキャラクター、メイドのエルダと執事のリトルのコンビや、使用人の食事担当ミケットも善良で可愛らしく、このフワッとした世界観は非常に居心地がいい。特に癒やしなのが、このルフェード。

第1巻ではそのほかに、朝食を食べない勢のルーク公爵を、「ナズナのキッシュ」や「もぎたてレモンのフレンチトースト」で改心させたり、全編楽しい展開なのだが、そろそろ出てくると思うんだよね。義妹アバリチアのちょっかいが! それをいかにして料理の力ではねつけるか? はたまたルーク公爵が……? 物語はまだまだこれからおもしろくなるところ。読み逃しなく!
婚約破棄された飯炊き令嬢の私は冷酷公爵と専属契約しました ~ですが胃袋を掴んだ結果、冷たかった公爵様がどんどん優しくなっています~(1)
原作 : 青空 あかな
著 : 七福 あくび
その他 : 黒裄