7月6日(月)に発売される夢枕獏の新刊『大江戸火龍改(おおえどかりゅうあらため)』。本作は、夢枕獏の世界をスカイエマの艶っぽいイラスト、クラフト・エヴィング商會が美しい装丁で彩った、現代版“大人の絵草紙”といえる1冊。
吉川文学賞ほか三冠を達成した傑作『大江戸釣客伝』に繋がる物語世界から、「首無し幽霊」を期間限定で無料配信します。
『大江戸火龍改(おおえどかりゅうあらため)』とは?
禍々(まがまが)しきは、吾の出番。
江戸時代、凶悪犯を取り締まる火附盗賊改の裏組織が存在した。
専ら人外(にんがい)のものを狩り鎮めるその名は、火龍改。
満開の桜の下で茶会を催していた一行から悲鳴が上がった。見れば大店のお女将の髪が逆立って、身体ごと持ち上がっていき、すっかり桜の花に隠れてしまった。見上げる者たちの顔に点々と血が振りかかり、ぞぶ、ぞぶ、ごり、という音のあと、どさり、と毛氈(もうせん)の上に女の首が落ちてきた――。遊斎は、飴売りの土平、平賀源内らとともに、この怪奇な事件の謎を追う(長編「桜怪談」)。短篇「遊斎の語」「手鬼眼童」「首無し幽霊」も併録。
万妖異事相談――江戸版陰陽師といった風情の遊斎が主人公の物語です。おもしろかったり怖かったりという話を楽しんで書かせていただきました。 夢枕獏
江戸の訳あり探偵が主人公の、新シリーズ開幕です。主人公の遊斎は、秘密の匂いのするイケメンで、物知り、子どもに好かれる、ときた鉄壁ナイスガイ。夢枕さんの美しく狂気に満ちた世界、スカイエマさんのイラスト、クラフト・エヴィング商會さんの装丁——と、贅沢三昧の本となりました。事件の解明に奔走する飴売りの土平は実在の人物と言われており、また、なかに登場する歌舞伎の演目も愉しいです。ぜひご高覧ください!