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2015.01.30

レビュー

明治後期の岡山県穂浪村 鍋島を見下ろす山頂──カラスヤサトシの文庫で100年散歩

辰男は故郷にいるにも関わらず島の名も知らず鳥の名も知らず、最も故郷から心離れて暮らしているかのようです。なんのイミもない英作文を、それでも作りつづける姿は「地に足のついた狂気」ともいうべき斬新なスタイルに思えてきます。この鍋島は、今の地図には見当たらず、おそらく周囲が埋めたてられ本州の一部になっているのでしょう。(カラスヤ)

何処へ・入江のほとり

著 : 正宗 白鳥
解説 : 千石 英世

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レビュアー

カラスヤサトシ

1973年生まれ。漫画家。著作に『カラスヤサトシ』『カラスヤサトシのおしゃれ歌留多』『強風記』『喪男の社会学入門』など多数。『アフタヌーンはカラスヤサトシのもの』を「アフタヌーン」で連載中。

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