作者の一連の「情痴小説」といわれるものの主人公は作者自身がモデル。ホントにこんなことをしていたと思って読むとドン引きですが、のちに別の女性と結婚し子を得てからは別人のようによき家庭人になったというのがホッとします。彼がさまよった道は現在、軽井沢から日光へつづく「日本ロマンチック街道」の終点にあたり、まさにロマンの果てのようなことが、そこで行われていたと思うと感慨深いです。(カラスヤ)
レビュアー
1973年生まれ。漫画家。著作に『カラスヤサトシ』『カラスヤサトシのおしゃれ歌留多』『強風記』『喪男の社会学入門』など多数。『アフタヌーンはカラスヤサトシのもの』を「アフタヌーン」で連載中。