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子どもが苦しいときは子育ての最大のチャンス! 子どもの悩みを支える3つのポイント

2020.07.18
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新型コロナウイルスの感染拡大で休校していた各地の学校も、本格的に授業が再開しつつあります。そんな中、「学校には行きたくない!」と言いだす子どもも。

何かの理由で子どもが苦しんでいるとき、多くの親もまた、あわてたり、落ち込んだりしてしまうものです。書籍『令和時代の子育て戦略』を刊行した下園壮太さんに、子どもの悩みを支える3つのポイントを教えてもらいました!

親がとるべき3つのポイント

親が子どもの悩みを支えてやるとき、基本姿勢として次の3点を覚えておいてください。

POINT

最初に子どもの話を「聞く」

「行動」は子どもが決める。親はその手助けをする

一貫して伝えるべきメッセージは「親はあなたの味方だよ」

この3つの基本姿勢は、小さな子どもの場合でも、思春期にある子どもでも、成人した子どもでも変わりません。ちなみに、3つ目の「メッセージ」とは、言葉そのものもありますが、親の態度や振る舞い、雰囲気などもひっくるめて、伝える価値観のことです。具体的なスキルは、次の通りです。

①〈話の聞き方〉何をおいても最初に子どもの話を「聞く」 

基本姿勢の1番は「最初に子どもの話を聞く」です。お子さんが悩みやトラブルに遭遇したとき、何をおいても親がとるべき対応は、話を聞いてあげることです。ただし、漫然と話を聞くだけでは支援にはなりません。聞き方のポイントは次の通りです。

・子どもの話を「全部」聞く

・子どもが内容を思い出せるように聞く

・「聞いていること」を積極的に態度で伝える

・本人なりの「苦しさ」や「努力」を聞く

②〈感情との向き合い方〉どんな感情も否定しない

話を聞く中で、子どもが取り乱して泣き出したり、叫んだり、逆上してモノに当たったりする場面もあるでしょう。親としても胸が痛む場面です。

けれども肉体的に傷がつくような緊急時以外は、親が心得ておくべきは、第一段階で子どもの様々な感情の発生は否定しないこと。認めてやることで、必ず、その感情のピークが過ぎます。あまり良くない態度に出たとしても、まずはその裏にある感情をくんであげます。

子どもが他者に迷惑をかけるような行為をしたら、その場では現実的に対応し、「行為」は注意しますが、必ずあとで「全部聞く」でフォローしてください。感情そのものを、頭ごなしに責めたり、叱ったりしないようにします。

③〈親の気持ちの伝え方〉カウンセラーにはない親だけの役割

子どもとの対応に悩む人が、カウンセリングを勉強することも多いでしょう。ただ、聞き方のスキルを学ぶのはいいのですが、カウンセラー的態度をマネしてはいけません。

子育てに、カウンセラー的な態度を入れると、少し「他人行儀」な感じになり、逆に子どもの心を閉ざさせてしまう可能性もあります。

これに対し、親は躊躇なく、「私はあなたの味方」「あなたのどんな気持ちも認める」という一番重要なメッセージを伝えることができますし、「私だったらこうするよ」というモデルを示すことは、それは同じDNAを持つ親だからこそ意味があります。

子どもの悩みには、第三者的、カウンセラー的態度より、生身の親としての支援のほうが、うまくいきやすいのです。

④〈問題解決のために目標の立て方、行動の仕方〉体は一つ、取れる行動も一つ

子どもの話を全部聞くことができたら、今度は、ではどうするのか「行動」です。行動を考えるとき、カウンセリングの中でも私がよく教えていることは、「体は一つ、取れる行動も一つ」ということです。

「心の中に気持ちはいろいろある。その全ての気持ちを認めてあげて、まずは心を整理しよう。そして、現実の問題もよく考えて、現実にはどうするか決めよう。いろいろな気持ちや要求はあるけれど、取れる行動も一つだからね」

子どもが悩んでいるということは、葛藤しているということです。やりたい(気持ち)、やりたくない(気持ち)、やならければらなない(理性)、できるかどうか不安(気持ち)、でも期限が決まっている(理性)……。悩むときにはいろんな気持ちがあり、そこにも折り合いをつける「総合解決策」を親は探してあげるのです。

子どもがトラブルにあるとき、苦しいときは子育ての最大のチャンスです。

「どんな自分、どんな気持ちも認める」
「自分なりの意思、行動を尊重していい」
「行動は何度でも、やり直せる」

重要な価値観を、親の「メッセージ」として子どもに渡してあげましょう。そして、こうした「メッセージ」こそが自己肯定感を高めるスキルとなり、大人になってからも幸せに生きていける土台になります。

本書では、事例も含めたより具体的な解決策も満載です!
子育てに悩むすべてのお父さんお母さん必読の書です。

  • 電子あり
『令和時代の子育て戦略』書影
著:下園 壮太

いま、子育て真っ最中の方が当たり前に願いがちな
・好き嫌いのない子になってほしい
・しっかりしたしつけや我慢は必須
・子どもを不登校児には絶対にさせたくない
などの考えは、じつは大変危険な子育てになっている可能性があります。

令和時代はAIの台頭で、「得られる知識や情報は膨大になる」「職業、仕事が減っていく」「語学をはじめとした学力も必要なくなる」「心の苦しみ苦痛は広がる」などが予測されています。今の子どもたちが大人になる頃、常識はガラリと変わってしまうのです。

「9月1日問題」など、子どもの不登校や自殺はすでに増えてきている昨今、心については年々問題が大きくなりつつあります。小学生ですでにうつ状態の子も増えています。そういった令和の時代に大人になっていく子どもたちに一番大切なのは、心の強さです。

わが子を「幸せな子ども」「強く生き抜ける子ども」にするにはどうすればいいのか。具体的に指南します。

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