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【待望の映画化】木村拓哉、稀代の名作『無限の住人』を語る!

2017.01.23
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木村拓哉さん コメントQ&A

木村拓哉=不死身の用心棒・万次

 最初にオファーを聞いた時はいかがでしたか? また、今回出演を決めた理由は?

三池崇史さんという存在が大きかったですし、映画監督が映画を撮りたいという前提で自分を欲してくれたっていうのが一番大きかったです。僕自身、原作を読んだことがなかったですし、世界観もわからなかったんですが、三池監督が「この作品をやるにあたってあなたでなかったらこの作品を撮りません」と言ってくださっているという話を人づてにうかがって、映画監督に求められるというのは役者にとって最もありがたいことなので、「三池崇史監督が僕のことを要してくださった」という事実に、自分の中でなんかざわめいた、という気持ちがありました。そして、その作品が『無限の住人』だとお聞きして、作品の世界観を自分が読み進めていったときに、「この作品に手を出すってことが三池監督らしいな」と。下からジップが徐々に閉じて行くような、別々だったものが「なるほど、なるほど」と合わさっていくような納得がありました。きっとジップが上まで締まりきるのがクランクアップだと思うので、今は衣裳を合わせてみたり、小道具を準備したり、共演者の方たちが決まったり、ちょうど3割くらいだと思います。

 原作を読んだ感想と万次のキャラクターについて

僕自身、好きな世界観ですし、万次を「死ねない」と考えるか、「不死身」ととるかは一線上にあるものだと思います。原作にある「死なない」ことと「死ねない」ということの向き合いについては、今回の脚本にも描かれているので、そこをどう体現するのか、監督が求めるものがどこなのか、頭でっかちにならずに現場を体感しながら演じたいと思います。また、万次は常に<痛み>と背中合わせで、それは今の社会には存在しない、想像できないくらいのものすごい<痛み>なので、思いきりと、バランスの取り方をうまくやらないと、観てくださる方が納得するキャラクターにはならないだろうな、と思っています。凛との関係については、彼女を守りながら、ある意味で<導く>って感じがあると思います。痛みだったり、勢いだったり、死なない、死ねないが共存し、時に相手を傷つけたり、殺めたり、他人と力を比べたりもするんだけど、すべて彼女のための行いであって、彼女の用心棒としての万次と、彼自身の持つ茶目っけみたいな部分も出せたらなと思います。

 三池崇史監督との初タッグについて

監督の作品は数多く拝見させていただいてますが、1本1本の内容も全然違いますし、お会いする前は「どういう人なんだろう」という印象はありました。おそらくスタッフ全員がそろって1カット目が始まってみないとわからないですけど、ものすごく現場目線でものを考えてくださる方なんだな、とお会いして感じました。もちろん映画監督としてのハンドリングもあると思うんですけど、丸1日そのカツラで、その衣裳で、特殊メイクして役者がいるっていう状況はどうなのか、っていうことを考えてくれる人ってなかなかいないんじゃないかな、と思います。ある意味、常に役者側に立って、常に頭が現場にある方だなと強く感じました。

 この映画で木村さんが目指すもの(ご自身にとっての新たな挑戦 や 本作への意気込み など)

三池監督との時間はかけがえのないものになると思いますし、僕自身も撮影現場で<現場の住人>になれると思うとすごくうれしいですね。衣裳合わせの時点で、監督もプロデューサーも目線の先に海外を意識しているなと感じましたし、僕自身もヨーロッパはじめ海外の方々にも観ていただけたらと思っていますが、まずはしっかり演じることだと思っています。あとは、三池監督がアクションにしてもドラマにしても、三池監督のエンターテインメントにしてくれるので、もちろん自分の“個”はありますけど、現場では監督の求める“素材のひとつ”だと思うので、共演者、スタッフと集中して現場に臨みたいと思います。

『新装版 無限の住人(1)』書影
著:沙村広明

今年、木村拓哉主演で実写映画公開が決定した稀代の名作、それが「ネオ時代劇」と称される本作である。緻密にして革新的な筆づかいにより描出される殺陣や個性的な武具、そして因縁うず巻く人間模様等々が今ふたたび蘇る。カバー画は全巻描き下ろし。