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THINK LIKE ZUCK マーク・ザッカーバーグの思考法

THINK LIKE ZUCK マーク・ザッカーバーグの思考法
(著:エカテリーナ・ウォルター 訳:斎藤栄一郎)
2014.08.06
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Facebook社が株式公開したときのことは、たぶん忘れることないでしょう。
経営者は多く上場すること(株式公開すること)を目的とするものですが、ザッカーバーグ氏はそれを拒み続けていました。Facebookが「中国・インドに次ぐ第三の国家」といわれ、巨大な規模を誇るようになっても、同社は非公開のままだったのです。株式公開すると、どうしても株主の意向にしたがい、株価を上げるための経営をせざるを得ません。ザッカーバーグ氏は、資産規模を大きくすることよりも、経営の自由を望んでいたわけです。
2012年、ザッカーバーグ氏は「議決権つき株式」を誰よりも多く取得することで公開に踏み切ります。「今世紀最大の上場」という見出しがついた記事を見て、「今世紀はまだはじまったばかりなのだから、そりゃ言い過ぎだろ」と思った記憶があります。
でも、もしかしたらFacebookより大きく力のある企業の上場はもうないのかもしれない。そう考えたからこそ、同社の上場をよく覚えているのでしょう。同社以降、IT企業をふくめ多くの企業が株式上場を果たしましたが、Facebook以上の企業はありません。
当然のこと、多数の投資家がFacebookの株式取得に動きました。結果、株価が高くなりすぎてマスコミに詐欺呼ばわりされたりもしました。「どんなに批判が集まろうと、Facebook株を大量に持ってるのは金持ちなんだよ」という記事も読んだ記憶があります。なるほどその通りだよな、と思いつつ、Facebookのニュースフィードを眺めました。広告・宣伝、増えたなあと思いながら。「これが株式上場するということなのだ」身をもって体験することになったわけです。たぶん、全世界のユーザが同じことを感じていることでしょう。

ザッカーバーグ氏はその半生をデビッド・フィンチャー監督に映画化された(『ソーシャル・ネットワーク』)伝説的人物です。今さらそれを振り返られてもなあ、と感じる人も多いと思います。氏の成長はそのままFacebook社の成長でもあるので、同社について語るのも願い下げだぜ、と感じる読者も多いかもしれません。ほかならぬ筆者がそうでした。

本書は、FacebookのみならずAmazonやザッポスなど成功を勝ち得た企業にスポットを当て、「情熱/Passion」「目的/Purpose」「人材/People」「製品/Product」」「協力/Partnerships」という5つのPから読み解こうとするものです。組織論であり、ビジネス書の範疇に属するものと言っていいでしょう。言葉を変えれば、ザッカーバーグ氏にスポットを当てることにより、「いかにして世界企業Facebookは成り立ったか/成り立っているのか」を読み解いた書物です。
起業家の方、起業家になりたい方にはぜひ目を通していただきたいと思います。凡百のビジネス書よりずっといい本です。

レビュアー

草野真一

早稲田大学卒。書籍編集者として100冊以上の本を企画・編集(うち半分を執筆)。IT専門誌への執筆やウェブページ制作にも関わる。日本に本格的なIT教育を普及させるため、国内ではじめての小中学生向けプログラミング学習機関「TENTO」を設立。TENTO名義で『12歳からはじめるHTML5とCSS3』(ラトルズ)を、個人名義で講談社ブルーバックス『メールはなぜ届くのか』を出版。いずれも続刊が決まりおおいに喜んでいるが、果たしていつ書けばいいんだろう? 「IT知識は万人が持つべき基礎素養」が持論。

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