今日のおすすめ
かなえられる夢を見続けることができるうちは誰でもが幸せになれるのだ
(著:朝日新聞「55プラス」取材班)
やりたいと思う夢があるうちは人間って老けないのかもしれません。本書は55歳からといっていますが、60歳からでも70歳からでも始められる(実現できる)夢のかずかずをイラスト付きで紹介しています。
その夢を見る処方箋は「学ぶ、自分を深める」「毎日を華やかに」「自然と親しむ、旅に出る」「体を動かす」「人の役に立つ」の五つのパートに分かれてこの本野中にあります。
たとえば学ぶのパートでは大学だけでなくお寺やお香、川柳の学び方を紹介し、毎日を華やかにのパートでは、そば打ちはもちろん寿司の握り方やマジシャン、噺家のなり方までと、いままでにない多様な人生の楽しみ方がここで紹介されています。なかには、アイドルを推すといった変わりダネ(失礼!)まであって、その夢の数は総数39種、それぞれのパートごとに問い合わせ先まで掲載してあり、確かに第二の人生活用書として使い勝手は良さそうです。
ここにある39の夢はもしかしたら一つの小さなタネなのかもしれません。そのまわりにはもっと多くの夢がひそんでいて、みんなに見つけられたがっているものもきっとあります。
あるいは、この小さなタネの中からから自分だけの夢を見つけ、大きくふくらませることができるかもしれません。
この本で取材された人の言葉はそれぞれが短いものですが、それでもその中にその人たちはこぼれるような笑顔で体験をはなされたんだろうなあと、読むものに感じさせます。
夢は大きければいいってものではないんだ、かなえられる夢を見続けることができるうちは誰でもが幸せになれるのだろうなあと感じさせる一冊でした。
レビュアー
編集者とデザイナーによる覆面書籍レビュー・ユニット。日々喫茶店で珈琲啜りながら、読んだ本の話をしています。
関連記事
-
2015.04.07 レビュー
人を引きつけてやまない「快適空間」と対話という言葉の細やかさがここにあります
『毒蝮流! ことばで介護』著:毒蝮三太夫
-
2015.05.15 レビュー
映像としてはあまり残されていない大衆芸能の姿はもっともっと聞きたくなります
『誰も書けなかった「笑芸論」』著:高田文夫
-
2015.06.19 レビュー
凄絶な戦争体験がもたらした「生きもの感覚」、そこから見えてくる死の世界とは……
『他界』著:金子兜太
-
2015.09.28 レビュー
グローバル社会を生き抜くために必要なのは、文化ではない。文明なのだ
『9割の人が小物選びで損をしている ビジネススーツを格上げする60のルール』著:宮崎俊一
-
2014.09.09 レビュー
私たちの思考を停止させているもの、それに気づいて進む道を探さなければいけない
『日本人の度量 3・11で「生まれ直す」ための覚悟』著:姜尚中/高村薫/鷲田清一/本多弘之
人気記事
-
2024.06.28 レビュー
能登半島地震の悲劇を徹底取材──「政治の人災」を繰り返さないための防災マニュアル
『シン・防災論―「政治の人災」を繰り返さないための完全マニュアル』著:鈴木 哲夫
-
2024.06.26 レビュー
【衝撃の手記】ゴーン会長のもと、日産社長を務めた男はそのとき何を考えていたのか?
『わたしと日産 巨大自動車産業の光と影』著:西川 廣人
-
2024.07.01 レビュー
「趣味はダイエット、特技はリバウンド」という方へ! モチベーションアップのコツ
『にゃんこダイエット モチベーション ブック 一念発起×初志貫徹 痩せにゃいわけない辞典』編:ダイエット・モチベーション・クラブ
-
2024.06.30 レビュー
「弱いまま、強くなる」 MEGUMIさんが、美容を“やる”理由とは!?
『心に効く美容』著:MEGUMI
-
2024.06.24 レビュー
ホンモノ中華料理にアナタの肥えた舌を捧げよ!
『進撃の「ガチ中華」 中国を超えた? 激ウマ中華料理店・探訪記』著:近藤 大介