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(著・石川 基子)
表紙絵の、笠が丸くて肉厚の「どんこ」がほしばあたけ、笠のひらいた「こうしん」がほしじいたけです。この特異なキャラクターは、作者の石川基子さんが落書き帳に描いた干し椎茸の絵の横に「干ししいたけ」の文字を書いたとき、なぜだか3文字目に濁点を打ったことから生まれました。講談社絵本新人賞受賞時、選考委員の大島妙子先生からは「お話のくだらなさ(褒め言葉です)に対して、絵の濃ゆさがハンパない」と評され、これを受け石川さんも「くだらなさこそが道標(みちしるべ)」と胆に銘じているそうです。
今回刊行する6作目は、くだらなさはもちろん、お約束の変身もさらに度を超すサービスっぷり。ファンにはうれしいゲストきのこがいくつも登場し、その描写の確かさは国立科学博物館のきのこ博士・保坂健太郎氏からもお墨付きのシリーズです。きのこ好きな方も、そうでない方も、ぜひ一度、このきのこたちをご賞味ください。
──幼児図書編集チーム J.O
- 電子あり
ほしじいたけとほしばあたけが、迷子のきのこを送り届けたところは、まぼろしのきのこ「ハナビラタケ」がすむ山でした。大歓迎されたふたりは、すすめられるままに神秘の泉の水を飲むと……。個性ゆたかに描かれたきのこたちの魅力が満点の、ユーモアたっぷり驚きいっぱいの楽しいお話。
人気絵本「ほしじいたけ ほしばあたけ」のシリーズ第6弾。
レビュアー
幼児図書編集チーム
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