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2020.07.12

レビュー

シリーズ累計3500万部突破!! 超完全版『SHAMAN KING』全35巻刊行開始!

シリーズ累計3500万部突破!! 長期にわたる連載後も、スピンオフやアニメが制作され、2021年4月には完全新作のTVアニメが放送されることになり、再び話題沸騰中の『SHAMAN KING』。 最初の連載開始から20年以上の月日が経っているにもかかわらず、いまだに愛され続けているのはなぜだろうと思いながら読み始めたのですが、もう最初から圧倒的な格の違いを見せつけられました。 心が踊るのです! これこそまさに、心が踊るザ・少年漫画です!!

出雲から森羅学園中等部に転校して来た麻倉葉(あさくら よう)は、同級生の小山田まん太を最初こそ無視していたものの、自分はシャーマンだと秘密を打ち明けます。というのも、まん太にも霊が見える能力があり、霊を見ることが出来る人間に悪い奴はいないと思っているから。

葉が1人で東京にやって来たのは、優れた能力を持つ霊を自分の持霊(もちれい)にするための修行だったのです。 最初に葉の持霊となったのは、殿様に逆らい何百人も斬り殺した鬼人・阿弥陀丸。          

葉は、首塚を壊された阿弥陀丸の無念を晴らすため、“木刀の竜”と戦います。                             

  

600年もの間成仏できず、世間から恐れられていた阿弥陀丸ですが、そこには男同士の友情と約束があり、本当は悪人ではないことを知る葉とまん太。

彼らのコミカルなやり取りは微笑ましいだけでなく、相手に対する思いやりや信じる心が溢(あふ)れています。 それはお互いの関係が、主従ではなく対等だから。 だからこそ、火事場の炎の中に突入しようとする葉に対し、阿弥陀丸は……、



たまに、自分の能力以上の結果が出せたとき、私の後ろにいる霊が力を貸してくれたのではないかと思うことがあります。 私には一体、どんな霊が付いているのだろうとよく想像するのですが、阿弥陀丸みたいに筋の通った男気のある霊だったら、さぞかし心強いだろうと思いました。 だから葉が、阿弥陀丸のことを「友達」だと言うのもよくわかります。

ところが、霊は「友達」ではなく「道具」だと言うシャーマンが現れます。 中国の武人・馬孫(バ ソン)という霊を持つ道蓮(タオ レン)です。

蓮は自分のことを、「この世界を浄化するシャーマンの王になるべき人間」なので、「阿弥陀丸を献上しろ」と上から目線で言い放ちます。 もろちん、納得のいかない葉は、蓮とバトルを繰り広げることに!!

ここから一気にギアが入り、のめり込んで読んだのですが、このバトルに丸々2話分が費やされていることに気づき、凄い!!と思いました。

私は評論家ではないので偉そうなことは言えませんが、『SHAMAN KING』は、こんな角度でキャラクターを描くんだ!?という意表を突く構図や、心に迫るエネルギッシュなシーンが随所にあって、とにかく気が抜けないのです。

それだけでなく、阿弥陀丸のセリフも泣かせてくれます!!

しかし、これはまだ序章に過ぎません。 この先、真のシャーマンキングとなるために、500年に1度開かれるシャーマン同士の戦い「シャーマンファイト」へと話が進むわけで、葉、阿弥陀丸、まん太の「魂の世界を巡る冒険」は、まだまだ始まったばかりなのです。

昔、夢中になって『SHAMAN KING』を読んだ人も月日が経ち、考え方や感じ方が変わったかもしれません。 再びこの作品を読んだらどんな感想を持つのか、それも合わせて楽しんで欲しいと思います。

レビュアー

黒田順子

「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。

公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp

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