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2019.05.04

レビュー

猫まみれの毎日。可愛くて笑って泣ける! ねこボランティアまんが

街で見かける野良猫たちの耳が、ときどき「桜の形(耳にV字の切れ込みがある)」になっていることと、その意味を教えてもらったのは数年前のことだ。本作『ねこボラ部のみるくさん』の“おまけページ”でも、この「耳カット」の意味が丁寧に述べらている。“おまけ”と呼ぶのがもったいない。ぜんぶのページのすみからすみまで、濃い情報と愛情でいっぱい。ああ、伝えたいことがいっぱいある人なんだなあと思いながら一気読みした。

“ねこボラ部”って?

『ねこボラ部のみるくさん』は、漫画家・森永みるくさんがご自身の「猫の保護活動」のこと、そして大好きな猫たちのことを描いたエッセイマンガです。保護活動には色々なかたちがあります。みるくさんの場合はというと……



猫、猫、猫……!



14匹のごはんタイム……。なかには、からだのケアが必要な猫もいます。みるくさんは、保護された捨て猫たちをこういうふうに一時的におうちで預かっています。そうやって預かった子達を連れて「譲渡会」にゆき、猫の里親を探したり、



捕獲器を仕掛けて野良猫に不妊手術を施して元の場所に戻しています。奔走ってまさにこのこと。(実際にこの捕獲活動を知人がしたことがある。なかなか捕まらないと苦心していた)

ある日、非通知の番号から「あなたボランティアの人だよね? XX公園で猫が捨てられてるよ」と電話があって子猫を探すことに。



みるくさんが見つけたのは、生まれたてほやほやの子猫たち。



「!?」の嵐。胸が詰まりそうになる。子猫を捨てた人にも、ボランティアをしているみるくさんが子猫たちを見過ごせないことをわかっていて、無責任に電話をかけてきた人にも腹が立つ。そして、4匹の子猫たちのうち、1匹は助かりませんでした。



……なんかこう、ずっと「なんで? なんで?」と憤ってしまう。悲しむ間もなく生き残った子猫3匹の子育てが始まります。



猫が哺乳類であることを今更ながら思い出した。めちゃくちゃ大変そうだ……。

やっぱり猫はかわいい

乳飲み子の子猫たちを育てる方法は次のような感じです。



「鼻から出たりする」のリアリティ。



あまりに忙しくて煮崩れてゆく日常……。

「んっくんっく」とミルクを飲む子猫、お尻をトントンしてもらう子猫。「なんて大変なことを……」と何度も思うけれど、それ以上の頻度で「なんて猫ってかわいいんだろう」と胸がキュッとなる。



かわいいさかりの子猫たちは里親会デビューをし、次々と里親が決まってゆきます。最後の1匹を「うちの子にしちゃおうかな」と迷うみるくさん。

「病気や障害の子を保護した時のためにうちのキャパはあけとかないと」という冷静かつめちゃタフなセリフがさらっと出てくる。



そして、里親になってくれる人の優しい人柄を信じて「最後の子猫」をあきらめる場面で私は必ず泣いてしまう。

捨て猫の保護だけじゃない「ねこボラ部」の活動

猫ボラ部の活動は、捨て猫の保護や不妊手術だけではありません。

「多頭飼い崩壊」でとても不幸な目に遭っている猫をその家から救い出すこと。(本当に本当に過酷でかわいそうな状態です)



東日本大震災のときに取り残された犬や猫たちの保護。



多岐にわたります。そして、猫と暮らす上でのヒントもたくさん載っています。



ペット手帳、知らなかったや。めっちゃためになる。そして、「大変なんだから!」って感じでもなくて。


「できる時に、自分ができる事をするのがボランティア」という言葉にグッとくる。

猫の保護活動に奔走するボランティアの人たちのこと、ペットと人間が幸せに暮らすためのヒント。教えてもらうことがたくさんあるマンガだ。そして、やっぱり一番はこれ。



ほんと、猫ってめっちゃくちゃかわいいね。

レビュアー

花森リド イメージ
花森リド

元ゲームプランナーのライター。旅行とランジェリーとaiboを最優先に生活しています。

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