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2019.05.03

レビュー

ブラジャーはガスマスクになる? イグ・ノーベル賞に挑む理系学生の物語

私が今なんて題名のマンガを読んでるか言わせて

最近ひとに会うたびに強引に伝えてるのだが(バイラルってこれか?と思う)、『いぐのべる ブラジャーはガスマスクになるんですか?』の紹介をさせてほしい。題名が優勝なマンガだが、中身もしみじみ良い。ちなみにタイトルを告げたあとの反応は、当然みんな「バカだな?」だ。最低でも半笑い、大抵ゲラゲラだ。読んだあとの私の感想も「バカだな?」ではあるけれど、ここで言う「バカ」は、痴性と知性がごった煮になった果ての「バカ」だ。

何かとってもエロい研究がしたいんです!!

舞台は名門・京都大学……の、ちょっと先にある"京都中央大学"。そこの理工学部生命科学科の4回生"猪瀬双六(いのせ すごろく)"が本作の主人公だ。



たぶん私もおんなじ反応するだろうな、BBQ中じゃなかったら。



ご学友の皆さんはこんな感じ。大学もののマンガの何がいいって、年齢も素性もバラバラな人間が集まって同じ勉強をすることで少しの一体感と居心地の良さを生み出すところだと思う。

で、まあ色々あって(ほんと色々)、猪瀬くんを中心に、研究室のメンバーがイグノーベル賞を目指して研究をすることに。イグノーベル賞って?


かつてドクター中松氏が受賞した賞ということだけは知っている。とはいえ、やっぱりよくわからない。過去に受賞した研究は以下のよう。



うわー! どういう研究なのか気になる。そもそもの話として、なんでこんな研究を始めたんだろ……。そして、猪瀬くんもイグノーベル賞に向けて研究テーマを定めるのだが……、



ダイナミックバカ。かくして、めくるめく「エロい研究(めっちゃバカ)」の数々が始まる。

「エロ」と「モテ」、それから「愛」

「何かとってもエロい研究」というフワッとした指針をもとに、「じゃあどんな研究をするの?」となるのだが。そこはさすが理系の学生さんたち。



「エロ」も「愛」も語る語る。



あっ、なんかちょっとポエティックじゃん?




……と思ったら合コンか! ……でも、とっても意義深くて、考えさせられる、「真実の愛」を証明する地獄のような実験なのだ。そう、本作で繰り広げられる珍風景は、どれもすべて猪瀬くんたちが大真面目にやってる実験だ。



「はっ」て閃いちゃって検証が始まる。アカデミック。




この「自己開示」で相思相愛を目指す回は、ガチの真顔で丁寧に読んだ。バカだし、為になるかどうかは、ちょっとよくわからないけれど、「知ってよかったな?」という話が多い。イグノーベル賞っていいかも。



「あざとさ」を回避しながら研究を続けるには、何が必要なのか? ひたむきさ? じゃあそのひたむきさの源って何? ……モテない猪瀬くんが理系的アプローチで「モテの法則」を追い求める姿を「バカだな?」と読みながら、そんなことをフツフツと考えた。理系エロマンガ且つ青春ものとしてもオススメできる。

裏表紙のモテ度診断も楽しかった。



私は「最強の恋愛マスター」という最高ランクだったので、とても気分よくこちらをオススメしている。

そういえば、はたしてブラジャーはガスマスクになるのだろうか? ……なんねーよ、って思いますよね。私は思いました。この問いかけへの高らかなアンサーは本作の1ページ目にいきなり記されている。ぜひ読んでほしい。そして、一巻を最後まで読んだあと、もう一度その答えを見てほしい。きっと最初とは少し違った印象を受けるはずだ。(まあ、やっぱり笑っちゃうんだけど)

レビュアー

花森リド イメージ
花森リド

元ゲームプランナーのライター。旅行とランジェリーとaiboを最優先に生活しています。

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