今日のおすすめ

PICK UP

2016.09.02

インタビュー

【超保存版4500円】水木しげる初期怪作集「世界の妖怪画報」が凄い!

昨年11月に惜しまれつつ逝去された大(おお)水木しげる先生。先生が残したすべての漫画作品を収録することを目指して、『水木しげる漫画大全集』全103巻完結に向けて現在続々刊行中!──ですが、その103冊とは別に、『補巻』が9月に発売されます。『水木しげる漫画大全集』を“補完”することになるという、この『補巻』の魅力をご紹介します!

──かつて漫画雑誌に掲載された妖怪画のグラビア特集

『水木しげる漫画大全集』は、水木しげる先生が発表したすべての漫画作品を、発表年月と掲載誌を軸として全103巻にまとめた記念碑的な全集です。2013年6月にスタートし、1957年のプレ・デビュー作『赤電話』、1958年のデビュー作『ロケットマン』から、亡くなった2015年の『わたしの日々』までのうち、現在第2期68巻まで刊行中です。

水木先生の漫画作品の掲載誌には、その漫画連載に連動して、「画報」と呼ばれる妖怪画のグラビア特集が併載されることが多々ありました。

これまでの『水木しげる漫画大全集』各巻には、漫画作品と関連ある雑誌掲載の妖怪画報を随時収録してきました。たとえば『墓場の鬼太郎』が連載されていた1966年の「週刊少年マガジン」には、漫画とは別に『水木しげる先生の名画でおくる日本の大妖怪』が掲載され、この画報も『墓場の鬼太郎』各回とともに、全集029『ゲゲゲの鬼太郎1』に収録されています。

しかし、連載企画や単行本で発表された妖怪画報については、紙幅の関係と漫画大全集というカテゴリ上、掲載することができませんでした。

また、それぞれの妖怪画報に同じ妖怪画が重複して掲載されたり、同じように見えて実はまったく違う妖怪画だったり、絵が同じで名前が別だったり、その逆だったり、総数2000点以上ともいわれる水木妖怪画の全容を把握することは非常に困難な状態だったのです。

そんななかで、水木しげる漫画大全集を予約購読していただいている読者様向けに、別巻として『初期妖怪画報集』を作成しご送付したところ、大変な好評をいただきました。このような企画をぜひ一般読者向けに市販してほしい、というありがたいお声を頂戴し、より発展させたスペシャル本として構成しましたのが今回の『補巻1 媒体別妖怪画報集Ⅰ』です。

──時代を代表する雑誌で紹介されたレア妖怪画を紹介!

9月発売の『補巻1』は、ご覧になった方が少ない、少女漫画誌『なかよし』に掲載された「これはびっくり! へんなおばけちゃん!」、『週刊少女フレンド』掲載の「絵で見る日本の怪奇大特集」を皮切りに、『月刊太陽』『月刊漫画ガロ』『週刊ヤングジャンプ』『コミックアルファ』という、各時代を代表するそうそうたる雑誌に連載された水木妖怪画報を一挙収録。また、水木先生が初めて手がけた記念すべき妖怪画集、『週刊少年マガジン増刊 水木しげる日本妖怪大全』も全150ページ余を丸々収録。

また、大泉実成さんとの共著『水木しげるの大冒険』シリーズ3冊に掲載された世界の妖怪画報も合わせて、1967年から2000年までの水木先生の妖怪画報をお腹いっぱいに500ページ超えで詰め込みました。今回収録される妖怪画の中には、のちの妖怪画集にあまり載っていないレア妖怪画も多々あり。掲載当時のカラーも完全再現します。それぞれの発表された年代特有の、水木先生独自の世界が繰り広げられる妖怪説明文のニュアンスを味わうのもいいかも。さらに、後年の妖怪名や形態の変遷を詳しく解説する「妖怪更新情報」付きです。


石妖(せきよう)【絵で見る日本の怪奇大特集】


和尚の幽霊【日本幽霊館】


夢霊(むれい)【日本幽霊館】


耳たぶを食べる精【世界妖怪大全マレーシア】


エギク【世界妖怪大全 マレーシア】

──監修者・京極夏彦氏の思い

責任監修の京極夏彦先生からは本書によせて、
「水木しげるが六十余年にわたって描き続けた妖怪画の全貌を把握することは難しい。(略)総体としては2000点を軽く超えるものと思われる。(略)これらの妖怪画は、「画報」という形で雑誌に掲載/連載されたものに端を発している。(略)本書は、メジャーになって以降の水木しげる妖怪画報を、媒体別、発表順にお読みいただこうという意図をもって編まれたものである。(略)市販される書籍の形で収録が叶ったことは、大変喜ばしいことである。(略)それでは、水木しげるの妖怪画の世界をご堪能いただきたい。」と、編纂の喜びがにじみ出るような巻頭言を頂戴しました。この喜びをぜひ読者の皆様にもお届けしたいと思います!

■巻頭言完全版はコチラ

先述の『水木しげる漫画大全集』各巻に収録された妖怪画報と、今回発売の『補巻』とを併せることで、事典・図鑑にまとめられる以前の水木妖怪画のすべてが見られるようになることを目指します。水木先生の妖怪画集は数多く刊行されていますが、初出準拠、掲載媒体別、しかもデジタルリマスターならではの高品質で刊行されるのは今回が初! 

さらに『補巻』は以下続巻予定!! 楽しみにお待ちください!

[水木しげる漫画大全集編集部]

おすすめの記事

2015.11.12

レビュー

気配。予感。妖怪が人間に伝えたいこと。

2015.08.17

レビュー

「一つの戦争が終わって十年以上たつと、昔の事はわすれてしまってまた戦争を始める。が、私は二度と戦争に行くのはいやである。これは戦争を体験した人のいつわらざる本心であると思う」

2015.05.22

レビュー

“国”だけあって“自分”はなかった。まるで“国”にいじめられているようだった昭和の歴史

最新情報を受け取る