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2016.03.10

インタビュー

『あさめしまえ』著者が選ぶ鉄板レシピ①【色紙プレゼントあり】

舞台は27歳の料理人・日高元が営む朝ごはん食堂「アサメシマエ」。小学生からサラリーマンまで、地域の人を癒す朝ごはん漫画の最終巻がついに発売に! 卵黄のしょうゆ漬け、土鍋ごはん、おぞうになど作中に登場したレシピについて著者・北駒生さんが各エピソードとともに振り返った。

北駒生

第3回 ITAN スーパーキャラクターコミック大賞で優秀賞を受賞し、デビュー。『あさめしまえ』(BE・LOVE)で初連載。日本朝食協会主催「グッドモーニングAWARD2015」文化部門受賞。

1巻・1膳目「朝日のごはん」【卵黄のしょうゆ漬け】【土鍋ごはん】

朝ごはん食堂を舞台に漫画を描くと決めました。3年前の冬のことです。はじめに浮かんだ料理は「体に朝日がのぼるごはん」でした。
空腹になると落ちつかず、寒くなれば不安になり、夜の底では腹がへる。満腹になって目覚めれば、心のざわめきが小休止している。そう大層なものではない自分の心は、胃やら光やらにあっさり左右されていきます。

1膳目の「朝日のごはん」は、「輝く希望」というよりも、日々の「小休止の希望」ぐらいのつもりでした。
しょうゆに漬けられた卵黄はぽってり輝き、ちいさな朝日にふさわしい。土鍋で炊いたつやつやのごはんに卵黄を落とせば、ごきげんな食卓になります。
夜の底にいた早夜子もこの朝食でひとまず目をさまし、主人公の元がスタートラインに立つのでした。

卵黄のしょうゆ漬けは、夜に漬けておくと朝の楽しみになります。おめざめに召しあがってください。

①しょうゆ小さじ2に卵黄1個分を漬け、冷蔵庫で一晩寝かせる。
*3〜4日ほど冷蔵庫で保管しても、くんせいみたいになっておいしい!

①米2合をとぐ。400ccの水につけ、20分以上吸水させる。
②①を入れた土鍋を火にかける。強火で沸騰するまで約5分。沸騰したら弱火で5分。5分経過したら超弱火で7分。炊き上がったら15分蒸らす。

卵黄のしょうゆ漬け
土鍋ごはん
卵黄のしょうゆ漬け

かがやく卵黄が希望という表現にふさわしく、活力を与えてくれる朝ごはん。

2巻・6膳目「おぞうにの帰り道」 【関東風おぞうに】【関西風おぞうに】

1巻で「家族みんなの食卓の輪」を描きながら、気がかりなことがありました。その輪に入れない人、入ろうとしない人たちのことです。

2巻の「おぞうにの帰り道」に登場するのは、関西出身の姑・百合子と、関東出身の嫁・かすみ。最後に彼女たちが同じ食卓に戻れば、話は円満に終わります。しかし、百合子はひとりでも豊かな食卓があることを知っていました。彼女を故郷に帰らせたのは「きなこぞうに」。ぞうにのおもちをとりだして、きなこをまぶして食べる。なつかしい郷(さと)の味です。どんなに嘘をめぐらせても、舌は正直なのだと思います。
この回は、名前と画面にもモチーフがありました。かすみ(群れて咲く花)と百合子(一輪で咲く花)の名前、二人のあいだの柊の絵(柊司)。お手紙で指摘してもらって嬉しかったです。

撮影ではあんこもちのお雑煮も作りました。遠くの故郷の味は、たまに食べるとおもしろい。お正月の朝にお試しください。

[材料/2人分]
・丸もち2個……たっぷりのお湯で柔らかく煮る。
・椎茸2個……十字に切り目を入れておく。
・大根50g……厚さ1mmの輪切りを2切れと、残りを厚さ3mmのいちょう切り。
・にんじん20g……厚さ7〜8mmの輪切りを2枚用意し、花の形に切る。
・里芋50g……両端をカットして皮をむき、厚さ5mmの輪切り。ぬめりを取るために水から下ゆでし、ざるあげしておく。
・みつば……葉の部分を2つ。
・ゆずの皮……1cmの丸形2枚。

[作り方]
①出し600ccに椎茸、にんじんを入れ、ふたをしてゆでる。椎茸は火が通ったら取り出しておく。
②にんじんに竹串が通るくらいになったら大根のいちょう切りを加えて煮る。
③白みそ60gを②に加えて溶き、下ゆでした里芋を加えて温める。
④お椀に輪切りにした大根をしき、その上にもちを入れ、③をよそい、椎茸、みつばとゆずの皮をのせる。

関西風おぞうに

[材料/2人分]
・角もち2個……さっと焼く。
・かまぼこ4切れ……厚さ5mm
・小松菜2〜3株(約80g)…… 塩ひとつまみ入れてさっとゆでて絞り、3〜4cmに切っておく。
・にんじん20g……いちょう切りまたは半月切り。
・大根50g……いちょう切り。
・椎茸2個……十字に切り目を入れておく。
・とりもも肉100g……ひとくち大に切る。
・ゆずの皮……1cm×5mmの長方形を2枚。先端を残して中心に切り込みを入れ、松葉切りにする。

[作り方]
①出し600ccににんじん、大根、椎茸を入れ、さっとゆでる。椎茸は火が通ったら取り出しておく。
②①にとりもも肉を入れ、アクを取りのぞき、しょうゆ大さじ1、塩少々を加えて味をととのえる。
③焼いた角もちをお椀にいれ、②をよそい、小松菜、椎茸、かまぼこを盛りつけ、ゆずをのせる。

関東風おぞうに
関東風おぞうに・関西風おぞうに

姑と嫁の間に生じた壁を、あたたかく取り払ってくれた2種のぞうに。

応募はこちらのアンケートからお願いいたします(〆切は3/16まで)。

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