トンネルを抜けた先の「呪いのビデオ」
“牧野ジュン”は、のどかな田舎の三栗村(めぐりむら)に越してきた痩せっぽっちの女の子。ジュンのお父さんはお医者さんで、三栗村に残っていた古い診療所を引き継ぎ、開業するらしい。
「君達は呪いのビデオの中にいる」
なにしろ診療所には古めかしいビーカーや薬品まで残されたままで、まるで持ち主だけが急に消えてしまったような奇妙な場所なのだ。探検しがいがある。
ジュンはモリモリと探索し、ビデオテープと一緒に古いカメラも発見する。
ついさっきまで家にはお父さんもいたはずなのに、ジュンがビデオを再生してから家の様子がちょっとおかしい。
で、案の定、むちゃくちゃ怖いものがジュンの目の前に現れる。本作は怖い描写はガッツリ怖い。しかもヌルッといきなり怖くなる。すばらしい。
もうひとつ、本作にはすばらしい魅力がある。ジュンたちは恐れを知らぬ小学生であるという点だ。
その不思議な世界では、ジュンが診療所で見つけた古いカメラが言葉をしゃべり、ジュンと一富士のよき仲間(?)となる。
こうして怪異と小学生2名の追いかけっこが始まる。知恵と勇気とで大捕物を繰り広げ、いよいよカメラを向けるが……?
毎話、ジュンと一富士はさまざまな怪異に見舞われる。
そして怪異に包まれるのはジュンや一富士だけではなく、実は私のような大人たちのすぐ後ろにも、何かがじっと控えていたりする気がしてならない。「あれ?」と気になるサインがたくさんちりばめられているのだ。かすかに聞こえるラジオの音声や村の風景、そしてお父さんのちょっとした動き……ぜひ注意深く観察して、何度も読んで、「気配」を見つけてほしい。








