コミカライズにあたり、Summertimeの主宰を務める隷蔵庫が原作を新たに書き下ろし、作画を『頂のリヴィーツァ』の山座一心が担当。同作でディストピア×特殊能力を描いていた山座の参加は、まさに適材適所といえるかもしれません。
謎と廃墟と超能力! 秀逸な設定に高まる緊張感
能力が顕現するのは一部の人のみで、政府もその存在を公表しておらず、世間的にはほとんど認知されていません。一方で都市開発を担うゴールデンドーン社は能力者たちを次々とスカウト。しかしこれに応じない者へは暴力を振るい、また無能力者は殺害もいとわない、かなりキケンな香りのする企業です。
本作の主人公シズキは一般的な家庭で育った少年ですが、ベオグラード・メトロに暮らす友人のデジャンはサイコキネシス能力の持ち主。
多様な能力者たち登場! その演出や異能バトルに大興奮
(※瞳の色が変わるのは電子版のみの描写となります)
バトルシーンも見逃せません。ゴールデンドーン社側についた能力者・第9(だいく)からの誘いを断ったデジャンとシズキは彼に襲われて絶体絶命のピンチに陥ります。第9の能力は、透明化。
能力者たちはまだまだ登場します。シズキの同級生でいじめられっ子のネデルカ。彼女の能力は、なんと……!
能力者狩りを行うゴールデンドーン社に対抗するため、味方を増やすべく動き出すシズキたち。今後も敵・味方含め様々な能力者たちが登場することでしょう。どんな能力なのか、そしてその能力が物語にどう影響してくるのか、気になります。
ネデルカ無双!? シリアスな中で発揮するコメディエンヌの才
能力から個性まで、様々な属性を持ったキャラクターが登場する本作。シズキの妹やゴールデンドーン社の令嬢マリヤなど、シズキとの関係性に「?」の矢印が伸びるミステリアスな相関図や、まだ詳細が明かされない過去のある出来事に苦しむシズキなど、「早く、早く続きを読ませてくれ……」と思わずにはいられません。特に1巻ラストの展開を目にすれば、「早く続きを」の言葉が本心だとわかっていただけるはず。
能力の種類やそれぞれの個性といったキャラクターの属性を楽しんだり、物語に隠された謎の数々に興奮したり、複数の視点で楽しむことができる本作。ちなみに、ベオグラードには2026年現在も、地下鉄は建設されていません(建設計画は進行中だそう)。そんな現実ともリンクした異国の世界観も含め、好奇心がわき上がってくる作品です。








