今回紹介する本作は、後者のタイプ。タイトルに「警視庁」とあるように、舞台は東京。冒頭から「サンシャイン60通り」や「歌舞伎町」が登場するなど、東京で巻き起こる犯罪に対処する刑事の物語であることが明示されます。この現実のような舞台に用意されたファンタジー要素は、異能。その特殊な能力の秘密とは。そしてどんな能力者たちが登場するのか。ワクワクしながら読み進めます。
犯罪者だけに発現する異能、その名も「罪(シン)」
とはいえ、これを放置するわけにもいかず、警視庁は対「罪(シン)」専門部署を設立。その名も公安部公安9課。ちなみに警視庁には公安1~4課、および外事1~3課、公安機動捜査隊という組織がありますが、公安という、ある意味警視庁内随一の“ものものしい”組織の中でも抜群の怪しさを抱えた課と言えそう。
さあ、そんな専門部署からお声がかかった緋月は、上司の引き留めに被せるほどの即決で辞令を受諾。「罪(シン)」に対するただならぬ前のめりな態度には、緋月のこんな事情が。
謎多き公安9課、その相棒はとんでもない臆病者!?
緋月と朧、早くも絶体絶命のピンチ!
朧、覚醒! その正体は……!
自らの体でナイフを受け止め、ダラダラと流れ出る血を見ながら、なぜか興奮が止まらない朧。先ほどまでと打って変わって明らかに様子がおかしい彼に戸惑う緋月。そして次の瞬間、ついに本性、いや、正体が明らかに……!
実は、朧が所属する謎の対異能専門部署・公安9課とは、「毒をもって毒を制す」ならぬ「犯罪者をもって犯罪者を制す」という、超アウトローな警察組織。「罪(シン)」がないから異能に勝てない刑事たち、というジレンマを払拭する禁じ手ともいえる部署です。
異能であるということは、朧=犯罪者であることを示します。彼が犯した罪は一体なんなのか。緋月は、自身が憎んで止まない「罪(シン)」を持つ朧とどう付き合っていくのか。公安9課に所属する、他の異能者たちはどんなキャラクターなのか。この先登場する異能者たちがもつスキルにはどんなバリエーションがあるのか。
そして緋月は、家族の仇である異能者を捕まえることができるのか。
謎、仲間、敵とこれから様々な新要素が登場するであろう本作。女性と男性、人間と異能者という対照的な緋月と朧のバディものとしてはもちろんのこと、異能バトルのド派手なアクションやミステリアスなキャラクターや展開にも期待値がグングン上がります!








