現実を見よ
しかし、そんな「運命待ち」の相談者たちに現実を突きつける結婚アドバイザーがいます。
それが『運命など存在しないので』の柏木です。
それも、めちゃめちゃ毒を吐きながら……。
この漫画はロマンチックな「運命論」を否定しながら驚異の成婚率を誇る柏木と相談者の「本気の伴走」を見せてくれます。
本当に結婚したいんですか?
「その場で5秒で直せないことを指摘するのはハラスメント」なんて声もある中、上野さんに対してかなり踏み込んだ質問をする柏木。なぜ、こんなに厳しいの?
たしかに、仮に事実だとしてもここまで厳しいことを言われたら、反発を覚えて相談所を去っていく人がいてもおかしくありません。上野さんも悔しさに涙を流します。
結果、相談所からの紹介を受けることなく、上野さんは自力で結婚相手を見つけます。自分の実績にはならないその結婚を、柏木は心から祝福したのです。
この作品は結婚相談所を舞台にしたお仕事漫画としても秀逸。
エンタメとしての楽しさはもちろん、「結婚相談所に行ってみようかな」と考える人が、知りたいけれど聞きにくい情報を楽しみながら知れるのもいいんです。
夢を語らないでください
たとえば子どもが欲しいから20代の女性と結婚したいと主張する50代男性・“目黒さん”には「夢を語らないでもらえますか?」と現実を突きつけます。
しかしそれは「あなたは結婚できない」と突き放しているのではありません。
鋭い指摘や質問は相談者の行動に隠れた本心を見抜き、現実的な道筋を洗い出すためのものなのです。
タイトルの「運命など存在しないので」には、さまざまな言葉を続けることができると思いますが、「本当の目的を見失わないで」も、その1つだと言えるでしょう。
「強者」は「弱者」を選ばない?
現実とのギャップに悩む人々を、柏木はどんな戦略で幸せな結婚へと導くのでしょうか。柏木の“本気の伴走”から、目が離せません!







