ラブ同居から7年
ただの同居じゃないんです、ラブ同居なんです。おうちがラブとハートで埋もれそう。そんな甘い同居生活も7年目に突入して、お互い仕事も順調で、変わることなくなかよしで、そろそろ「これからのこと」を意識して……!
恋人同士の刺激的なラブ同居を描いて描いて全24巻の超大作となった名作『LDK』が、いよいよ次のステップに進みます。『LDK Pink』は、23歳になった“葵”と“柊聖”の「これからのこと」が読めちゃう。たまんないですよ、「クーッ!」みたいな声がマジで出る。
糸で指のサイズを測ってる! しかも左手の薬指! 寝たふりを続けられるのえらいよ。
このページだけでもうおわかりかと思いますが、『LDK』をまだ知らない人でも存分にドキドキします。葵と柊聖の楽しいラブ同居、とくとご覧ください。
そろそろとは思うけど
葵と柊聖は23歳。いろいろあって16歳の頃から同居を始めました。社会人になった葵は人気カフェでチーフを任されて、柊聖はITベンチャーに転職して急成長中のシッターアプリを運営しています。
こんなインタビュー記事読んじゃったら、とりあえずシッターアプリ入れてみるよね(前月比200%成長に納得)。王子だなあ。
まわりのみんなも「式、呼んでね!」って感じだし、葵も「そろそろかなあ」とは思っているけれど、結婚のタイミングってどうやって見つけるんでしょう。
このページもすごくステキ。きれいなワンプレートのごちそうみたい(これは『LDK Pink』の本当にすごいところだと思います。1ページごとの波が心地良いんです)。恋人に髪を乾かしてもらうなんて最高だし「やってんなー俺ら」ってお互いの仕事を応援し合えるのもうれしい。そしてふと柊聖がつぶやく「自信」という言葉にドキッとする葵。それって仕事の自信だけじゃない……よね?
で、冒頭で紹介した「寝てるときに左の薬指に糸が!」の事件が起こってゴール目前かと思うのですが、それから1ヵ月経っても何もナシ。「あれ?」と焦る葵。
同居しているからいつだって一緒だけど、タイミングってわからないものだなあ……。
こうなったらもうあからさまにアピールするしかない。ラッパーの指輪のようになったポテコたちを見て柊聖がどんな反応をして、ポテコがどうなったかは読んで確かめてください。笑った。
『LDK Pink』は二人のちょっとした「駆け引き」がとても楽しいんです。さあ今度は柊聖の番。
ガスを止めてからの壁ドン!っていうか、今ここで!? なお、前作『LDK』は「壁ドン」の偉大なる火付け役でもあります。健在でうれしい。
葵と柊聖のラブ同居のラブたる理由がよくわかる場面がこちら。
指輪の箱が登場してからもお互いを煽(あお)るんですよ。煽り上手なカップル。「納得しませんから」って強気な葵がかわいい。
でも「ここぞ!」なシーンはとことんピュア。泣けるなあ。
ってウルウルしていたらなぜかこんなことに! 先攻と後攻の切り替わりが激しい。 この第1話を読むだけで肩で息してました。
新婚ホヤホヤのリアル
「ホヤホヤ」っていう妙にあたたかくてくすぐったい言葉は新婚くらいでしか使わないんですよね(あとは焼きたてのパンくらい)。
晴れて新婚ホヤホヤとなった葵と柊聖はどんな感じ? ホヤホヤな世界が見たい!
いい! わたしまで入籍した気分になったよ!
でも帰る場所はいつものおうちだし、昨日と同じような生活……?
結婚初日だって、いつも通り二人でキッチンに立って夕食作り。変わらぬ日常っぷりに、「新婚ホヤホヤってこんなものなのかなあ」と肩透かし気味な葵だけど……、
ちょっとずつ実感が湧いてきます。いつもの洗面所だけど、いつものパーカーじゃなくて、繊細なレースのランジェリー。
同居しているから二人の間に日常がずっと広がっているけれど、その日常が心地いいし、大切にしたいし、スパイスだって二人で用意すればいいんですよね。
たまらないなあ。駆け引きとコミュニケーションの波が気持ちいい。
あ! ここまで率直に話し合っちゃう!? や、すごく大切なんです! だってラブ同居だもの! 2巻でもお幸せに!
レビュアー
ライター・コラムニスト。主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」などで執筆。
twitter:@LidoHanamori