並行世界を舞台にした斬新な設定
どうやら、A面=いわゆる私たちが今住んでいる世界であり、B面はどちらかというとアンダーグラウンドな世界。B面はA面に対して資源や技術を提供している、とあるのですが、その実態としては搾取されている、という印象を受けます。

また、審査に合格するとB面からA面へ移住できる制度があり、資源だけでなく人材の流れも(限られてはいるものの)、確保されている模様。
このように本作では、恵まれているA面と、A面に搾取されながら、物資の密輸で嗜好品を享受し、A面での暮らしを夢見て生きるB面という、対照的なふたつの世界を舞台に、物語は進行していきます。
主人公は、無職の元凄腕エージェント

今回、エージェント職を辞すことになった木星。彼には、15歳の妹を殺されるという痛ましい過去があり、これが彼の行動や考え方に大きな影響を与えています。すでにその復讐を果たし、新しい人生を探すべく、A面へと移住するのですが、実はその生活には少しばかり縛りがあります。


1.超越細胞をもつ人間はA面で監視局の監視対象となる
2.超越細胞を1年、活性化させずに過ごせば超越細胞は消滅
3.超越細胞が消滅すれば監視対象からは除外
誰にも監視されず、普通の生活を送るためには、1年、超越細胞を使わずに暮らす必要があるわけです。
このシーンに登場する、美しくも恐ろしい女性は木星の上司である「太陽」。木星への嫌がらせに喜びを感じる、最も上司にしたくないタイプのキャラ。サプライズが苦手な木星に、退職祝いのサプライズパーティをおぜん立てするなど、端からは部下思いに見えて、実は相当性格が悪い厄介な上司です。
ちなみに木星、太陽など、どうやら並行世界監視局のコードネームは太陽系の星たちの名が付けられているようで、おそらく今後、続々と新たな惑星たちが登場するであろうことも期待できますね。
エージェント木星あらため織川優作、15歳女子高生と暮らす!





・「さぷら──いず」のセリフが示すのは、「優作(木星)はサプライズが苦手」だと知る太陽の差し金だということ。
・殺害された優作の妹が、真琴と同じ「15歳の女子高生だった」ということ。
つまり、太陽による二重の嫌がらせ(サプライズ&心の傷の呼び覚まし)によって真琴はこの状況下に置かれているからです。
その後の新・木星の調査で、真琴には本人も知らないある秘密が隠されていたことが明らかになります。それは、やはり太陽が仕組んだ「嫌がらせ」によって生じたもの。優作は、彼女が本来の正しい道を歩むことができるよう、保護者として、この新居で期間限定のふたり暮らしをしていくことになるのです。
それは、真琴にとっての試練であり、また、優作にとっても、どうしても亡くした妹と重ねてしまう「15歳の女子高生」と暮らすという、ひとつの試練でもあります。
妹の死とあらためて向き合いながら、真琴の試練クリアをサポート。なおかつ元凄腕エージェントとして、その身に降りかかるトラブルを、(普通の人間に戻るため)超越細胞を使わずに解決するという、大きな課題を突き付けられた形です。
サプライズが苦手で、冗談も通じないクールなエージェント・優作と、明るく健気な女子高生・真琴。
ふたりは無事、試練に打ち勝つことができるのか!?
B面世界ではなかなかありつけない、ピザに歓喜する真琴。
