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2024.12.23

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法の抜け穴(!?)お教えします。人々を欺くリーガルエンターテインメント!

2024年11月にフリーランス新法が施行されたり、有名人の裁判が大きく取り上げられたりと、法律や裁判の話題が尽きない今日このごろですが、実際に裁判を経験したことがある人は少ないのではないでしょうか。
『よき法律家は悪しき隣人』は、リアルな裁判でのやり取りが見られるだけでなく、そんな法の抜け穴があるのか!!と驚く展開が満載です。

比嘉亜希(ひがあき)は、小学校から大学まで首席で卒業し、大手法律事務所で働く新米弁護士。
ある日、ゲーム業界トップクラスのIT企業ネクストプリズム社が特許侵害で訴えられた裁判で、初めて主担当の弁護士に抜擢されます。

ところが、絶対に勝てると自信を持って臨んだ裁判で、亜希は敗訴。法律事務所も辞めざるを得なくなります。
早い話が、最初から負けるとわかっていた事案を事務所から押し付けられた……というかハメられたのです。

優秀な弁護士が弱者を助ける王道パターンを想像していたら、まさかの展開でなかなかダーティ!! 
しかも事務所から出てきた亜希を待ち伏せていたのは、裁判で戦った相手側の弁護士、八木渉(やぎわたる)でした。
八木に連れてこられたのは、今は亡き亜希の父親が事務所として使っていた一軒家。八木は100年間の賃貸借契約を盾に居座り、勝手に比嘉法律事務所を立ち上げていただけでなく、自分を雇えというのです。
無職となった亜希は、八木と一緒に住むしか選択肢はなく、奇妙なバディが誕生するわけですが、この八木という男、なかなかのクセ者。
というのも八木は、粉飾がらみで執行猶予付きの有罪判決を受けた弁護士で、その前は詐欺師というとんでもない奴なのです。

さらに先の裁判で亜希が弁護したネクストプリズム社の創業メンバーだった過去があり、返り咲きを狙っているのです。
比嘉法律事務所の最初の依頼は、パワーハラスメント裁判の一審で敗訴した会社からでした。
一審を覆(くつがえ)す新たな証拠を提出しなければ勝てないわけですが、まさかそんな方法があるとは!!というほど、八木の手口が悪どい(笑)。まさに詐欺師の本領発揮といった具合です。

こうした裁判所でのやり取りや、弁護士同士の一進一退の攻防戦も見どころであり、裁判の常識を覆す裏ワザ連発の意外な展開が面白く、最後は大どんでん返しで結審します。

これは法律や裁判について相当勉強しないとこのマンガは描けないだろうな、すごいなぁと思いながら読んでいたら、しっかりと補足もありました。
破茶滅茶で違法スレスレ、何を考えているのかわからない八木と、生真面目で振り回されてばかりの亜希は、なかなかいいバディなんじゃないの!?と思うのと同時に、いずれこの2人が、もっと大きな社会の闇に立ち向かっていくのではないかという予感がします。

というのも、亜希の父親は最強と謳われた弁護士で、山中での車の事故死には、何やら裏がありそうなのです。
亜希の父親と八木とは、一体どんな関係だったのかも気になるし、もしかしたら亜希の父親にも裏の顔があったのではないか!?と想像が膨らみます。

なにせ冒頭から人間の欲深さを見せつけられ、大どんでん返しの連発なので(笑)。
いずれにしても、型破りなリーガル漫画、とても面白いのでオススメします!!

よき法律家は悪しき隣人(1)

原作 : 那珂川(TOKYOTOON)
著 : 菅原 こゆび

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レビュアー

黒田順子

「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。

公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp

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