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2024.01.30

レビュー

あの夜の責任とらせてくれ──失恋ドン底女子が上司とワンナイトからの愛されまくり

「結婚するなら、どんな男性がいい?」と聞かれたら、何と答えますか?
『そのキスに、二言なし』に出てくる東堂(とうどう)は、ある意味、女の子が結婚相手に求める理想の男性像なんじゃないかと思ってしまいました。

白川杏(しらかわあんず)は、ハイスペックな彼氏に好かれようと頑張りすぎたことでフラれ、何をやってもうまくいかない毎日。
仕事でも行き違いがあり、上司から「できねえくせに、でしゃばんなよ」と怒鳴られます。
それを救ってくれたのが、直属の上司である東堂でした。

           



部下を守る上司は、それだけでも素敵なのに、東堂は仕事もできてかっこいい。ただし、ちょっと変わっているので、周りから「THE 武士」と呼ばれています。

ある日、会社の飲み会で悪酔いしてしまった杏は、東堂の家で介抱されたのですが、その流れで一夜を共にしてしまいます。

どちらかというと杏の方が誘った感じなので、土下座して謝られるって女の子としてはキツいなぁ……と思っていたら、東堂の土下座は、無かったことにしてくれという土下座ではなかったのです!!



しかも、「準備をするから少し待ってくれ」と言った東堂が、何を準備していたのかというと……

話が早すぎるだろ!!とツッコミたくなりますが、この途中経過をすっ飛ばした極端すぎる東堂が、とにかくおかしい。

こうしてお試しの同棲生活が始まったわけですが、「まずは同じ釜の飯を食べることが一歩だな」って、ここは戦場かっ!?
呼び方も「白川」「東堂さん」で、会社の延長みたいによそよそしい(笑)。
そりゃそうですよね。交際期間ゼロ日で、同棲を始めたわけですから。

それは夜の生活も同じ。不自然なくらいよそよそしい(笑)。
だから、何ごとも頑張ってしまう杏は、またしても自分から誘います。



今の時代、男だから、女だからは関係ないのかもしれませんが、でもやっぱり女の子が頑張ってるんだから、なんとかしてよ、東堂さん!と思ってしまいます。
でも東堂は、THE武士なのでね。

そうなると、「私たちってどういう関係?」とモヤモヤし、全然眠れなくなる杏。
一方、東堂は相変わらずズレまくっているので、「何か悩みでもあるのか」って、お前だよ、お前!! そのカタブツ過ぎる性格が杏を悩ませてるの!!と友達気分で説教したくなりました。

しかも、部下に手を出したとなれば、東堂の名誉に傷がつくと思った杏は、「会社では付き合ってることを隠そう」と言ってしまいます。
だから東堂が合コンに誘われても、平気なフリをしてしまう。
わかる、その強がってしまう気持ち。

これでは杏のモヤモヤも加速するばかり……と思いきや、意外な行動をとる東堂。
これがズルいんですよ。完全に女心わかってる。こんなことされたら、誰だってキュンとするじゃない!!

多くの女の子は、東堂のように一人の女性をまっすぐに愛する、責任感の強い男性が好きだと思うのです。
こういうところなのですよ、この作品が女の子に人気なのは。

ワンナイトラブから始まった関係が、揺るぎない愛となり結婚に進むには、まだ一波乱二波乱ありそうですが、可愛い二人を応援したいと思いました!!

◇待望の最終第2巻は3月13日発売予定!◇

レビュアー

黒田順子

「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。

公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp

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