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タヌキなのに犬!? 雨降る夜に出会った1人と1匹のほっこり尊い日常。 

雨と君と(1)
(著:二階堂 幸)
2021.04.07
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発売前から重版が決定し、発売後もすぐに重版、Twitterでは1億6千万PV突破の人気作『雨と君と』。
この作品は、タヌキなのに自分は犬だと言い張る“君”と主人公との、何気ない日常を描いているだけなのに、とっても幸せな気持ちになります。
“君”の言う通り、タヌキを犬だと思いこんで飼うことを決めた主人公は、翌日“君”を動物病院に連れて行きます。



1人で堅実に生きる主人公の日常は、とても穏やかで親近感があります。そんな彼女の生活に、すーっと入り込んだ“君”は、ペットというより“相棒”とか“同居人”という言い方の方が似合います。

一緒に暮らすようになってから少し季節が進み、海へとやって来た2人。
海は“泳ぐ派”ではなく、“見る派”の主人公。
うんうん、わかる!! と思ったのですが、もっと共感したのはこのセリフ。

私が映画も旅行も絶対に1人で行くのは、その場の空気感や感動を全身で受け止めたいから。無駄話で大切なモノを見逃したくないから。
人からはよく寂しくないの?と言われますが、まさにこのセリフと同じ気持ちです。

主人公も子供の頃から「ひとりでいるのが好きだったのかも」と、雨の日に “君”に語りかけるシーンがあります。
だからといって孤独でもなければ人嫌いでもなく、両親との関係も良好で、お隣に住むドイツ帰りの小学生・希依(きい)ちゃんとも仲良しです。

この作品からは、凄く落ち着いた不思議な空気感と清らかさが伝わって来るのですが、それは主人公が自ら選び取った自分の暮らしを大切にしているからだと思います。
そういう奥行きが、ただの笑いで終わらないこの作品の良さであり、重版を繰り返す人気の秘密のような気がします。

もちろん、“君”の可愛さは言うまでもありません!!
特に主人公のパパは可愛い“君”に会いたくて、娘が住む家にちょくちょくやって来るようになります。

パパとのペアルックに、主人公同様「絶対イヤ」という反応を示すのかと思いきや、大喜びの“君”は感謝の気持ちをこんなふうに伝えます。



「ありがとう」の言葉だけでなく、お返しまでするなんて、とっても律儀な子!!
そして、部屋の中でも夜でもサングラスの強面のパパ、可愛い!!

第1巻は、梅雨から夏までの日常が描かれていました。第2巻は秋です。
紅葉狩り、梨狩り、ぶどう狩りにも行くかな? 自分にも美味しいもの食べさせろと“君”も反抗期を迎えるのかな? と、想像するだけで楽しい。
でもやはり、どこにでもある何気ない秋の日がどう描かれるのかが、今からとても楽しみです!!

  • 電子あり
『雨と君と(1)』書影
著:二階堂 幸

雨の降る日に、1人と1匹は出会いました。“あともうちょっと”がほっこり尊いと話題です。

Twitterで1億6000万PVを突破した、たぶん仲良しなコンビの日常コミック!

レビュアー

黒田順子

「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。

公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp

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