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意外とみんなしてるらしい!? バレちゃいけない社内恋愛は幸せ&スリル満載!

この会社に好きな人がいます(1)
(著:榎本 あかまる)
2019.08.17
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社内恋愛って実は多い?

「ウチの会社は出会いとか全然ないし」と自分の職場事情をも交えつつ自身のシングル情報を開示する人がいると、「ああ、そういうことなんだよなあ」と思う。つまり「チャンスがあれば社内の人間と付き合う」ということだ。昔からこれがちっとも理解できずにいた。面倒そうだし、別れちゃったらもっと面倒そうだし。



これ! 職場のゴシップで登場人物になるとかマジで無理! でも実際は多いんですよね。別の部署に配偶者がいたり、先日転職した誰々さんは僕の元カノだよとか、社長の再婚相手は秘書課出身、とか。みんな器用だなあ……と思いながら『この会社に好きな人がいます』を読んだ。



あ、なんかいいかも。



お泊まり感はほんのり出てますが、「誰とお泊まりしたか」までは出ていないと思いますよ。えー、社内恋愛ってなんだか楽しそう。

付き合いたてのウキウキと、会社のリアル

主人公の“立石真直(たていしますぐ)”はお菓子メーカーの経理部で働いています。最近彼女ができました。



相手は“三ツ谷結衣(みつやゆい)”、同じ会社の企画部で働いている同期入社の女性です。



「慎重な探り合いと水面下での一進一退を経て」というくだりが、男女交際っていうか会社の合併を語っているようで良い。サラリーマン感満点。あと、「同期」はサラリーマン用語のなかでもちょっと青くて優しい響きのある言葉だと思います。1つの企業に長く勤めている人たちと話すと時々耳にするんです。みんなちょっと親しみを込めて「同期」と口にしているので、多かれ少なかれ特別な存在なのかも。

そんな同期同士で付き合うことにした2人は、社内でバレないように、噂にならないように、とにかく必死に隠します。




やや喧嘩腰。社会人、社内メンバーがエレベーターで乗り合わせると雑談しがち。わかる。仕事のあとの缶ビールも、わかる。美味しいよね。こういう「お仕事あるある」がすごくリアルに描かれているので、同期もいなけりゃ社内恋愛もしたことがない野良犬のような私でも、なんかちょっと社内恋愛のドキドキを味わえる。



金曜の夜に、退勤後ちょっとヘアアレンジをして彼氏を待つ! 会社での過剰なよそよそしさとのギャップがかわいい。



そうか。社内恋愛だと、自分の恋人が「仕事で頑張っている姿」を間近で目撃するチャンスもあるんだ。


ゲームで段取りにこだわる彼は、職場でも書式とフォントにこだわるの……この、自分だけが知っているお家デート中の彼を思いつつ「ですよねー、わかりますー」って顔するの、たまらない。好きが加速するわこんなん。

……と、付き合いたての好き好き大好き超楽しい時期が、サラリーマン的リアルを丁寧に丁寧に盛り込みつつ描かれています。浮き足立ってるのに慎重。社内恋愛、良い。キュンとする。就活の時にこれを読みたかったよ。夢いっぱいでリクルートスーツを着たんだろうな。

さて。会社の人たちにバレないように細心の注意を払ってお付き合いを続けている2人ですが、好きが高まり続けているので……、

遅かれ早かれこのフェーズに進みますよね。噂話の餌食になっちゃうの? ますます面白くなってきそう。

  • 電子あり
『この会社に好きな人がいます(1)』書影
著:榎本 あかまる

「俺たち、付き合わない? ……内緒で」お菓子メーカーの経理部に勤めるアラサー男子・立石には、秘密があった。それは、昨日できたばかりの、かわいい恋人の存在。なぜなら相手は、同じ会社の企画部で働く勝気な同期女子・三ツ谷だから――! してないひとも、あこがれてるひとも、迷惑してるひとも、きっと言いたいことがある。ちょっとは覗いてみたくなる。秘密厳守のピュア社内恋愛ストーリー!

レビュアー

花森リド イメージ
花森リド

元ゲームプランナーのライター。旅行とランジェリーとaiboを最優先に生活しています。

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