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猫の日だから!「猫本」悶絶可愛い7冊──もふもふ、猫セラピー、猫にGPS?

2月22日は、ニャンニャンニャンで「猫の日」! 猫の日にちなんで猫を取り扱っている本を集めてみました。
猫好きや猫飼いの方は思い当たる節ありありの「猫好きあるある」物語はもちろん、猫のかわいらしさにニマニマできる本、知られざる猫の秘密や猫と人間の付き合いの歴史まで遡ったためになる本まで、猫に関係した本ばかり7冊をご紹介します。
もっともっと猫を愛しく思うようになるはずです。

2018.02.22
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『ロスト・キャット 愛と絶望とGPSの物語』書影
著:キャロライン・ポール 絵:ウェンディ・マクノートン 訳:グレッグ・ジェンカレッロ/アキコ・ジェンカレッロ

飼い主が外出中、猫は何をしているのか。
猫を飼っている人なら一度は思うことでしょう。

この数年、自宅で留守番している猫の様子を定点カメラで覗いてみたり、猫にGPSをつけてその行動範囲を探ったりという記事がネットで話題になりましたが、本書はまさにそうした「猫の飼い主の疑問あるある」を具現化した物語です。

本書の著者キャロラインは、フィビィとティビィという2匹の姉弟猫を飼っていますが、おとなしくて臆病な弟猫のティビィが、ある日、5週間もいなくなってしまったために街中を探し回ります。果たしてティビィは帰ってきたのですが、彼が5週間の間、どこで何をしていたのかはまったく分かりません。どうやら彼にはキャロラインの知らない秘密があるようで……?
猫の首にカメラを付けたり、GPSで行き先を辿ったりと、最新技術を駆使して愛猫の秘密を探ろうとするキャロラインと、友人のウェンディが奮闘する様子がおもしろおかしく描かれており、それでもどこかしんみり、ホロリとするお話です。

「自分の猫のことは永遠にわからない。
でも大丈夫。愛とGPSさえあれば。」
とは本文からの抜粋ですが、猫に対する飼い主の愛情のあり方すべてを、この一文が物語っているのかもしれませんね。

『ねこの証明』書影
電子あり
著:森村 誠一

本作の著者、森村誠一さんは、自他ともに認める大の猫好きだそうです。ファンの方にはおなじみでしょうが、森村さんは数多くの猫のエッセイや猫の登場する作品を描かれており、その猫にまつわる作品ばかりを集めたのがこの、初の「森村猫本」となる本作『ねこの証明』です。
飼い猫や野良猫たちの自然な姿を捉えた写真俳句集から始まる、文庫本には珍しいフルカラーの口絵で頬を緩ませたあとは、「月刊 ねこ新聞」で連載されていた「ねこエッセイ」をじっくりと堪能しましょう。つかず離れず、適度な距離を持って暮らす飼い猫たちや、彼らがたまに連れてくる野良たちとの、「当たり前に猫のいる暮らし」がうらやましくなるはずです。

『ニャンニャンにゃんそろじー』書影
著:有川 浩/町田 康/真梨 幸子/小松 エメル/蛭田 亜紗子/ねこまき(ミューズワーク)/北道 正幸/益田 ミリ/ちっぴ

猫をこよなく愛する作家たちによる、猫小説や猫マンガをぎゅっと詰め込んだ、猫好きのための猫アンソロジー本です。
2018年10月26日の映画公開を控えた『旅猫リポート』や『アンマーとぼくら』の有川浩さん、「スピンク」シリーズでおなじみの町田康さんといった猫好きで知られる作家たちの猫小説の合間に、描きおろしも含めた猫マンガが挟まり、読み応えたっぷり。ニヤニヤも止まらなくなるはずです。
各作品の終わりには各作家のプロフィールとともに、彼らの「自分にとっての猫」についてのひと言を添えました。読後のデザートのつもりで眺めれば、またニヤニヤが止まらないはずです。

『すべての猫はセラピスト 猫はなぜ人を癒やせるのか』書影
電子あり
著:眞並 恭介

アニマルセラピーという、動物を介した補助治療や生活の質を向上させる試みが世界中で行われています。馬やイルカ、犬などがよく知られていますが、本書では猫を使ったキャットセラピーが取り上げられています。
セラピーキャットのヒメは真っ白なおとなしいメス猫。認知症の進んだお年寄りや、重い精神疾患を患った人のところに赴いて、じっと抱かれています。
ヒメと触れあうことで人はどう変わったか、一方でヒメのような猫は何を思って彼らに寄り添うのか。介護施設や病院でのセラピーの実例のほか、福島県の帰宅困難地域で置き去りにされ保護された猫たちの事例などから、猫の心やなぜ人を癒やせるのかを探ります。

『なぜ、猫とつきあうのか』書影
電子あり
著:吉本 隆明

本書の著者である吉本隆明さんは、詩人であり、批評家であり、「戦後思想界の巨人」とも呼ばれた思想家で、多くの著名人に大きな影響を与えた人物です。論争をするのが好きで自宅でさまざまな論客と激しく論を交わす一方で、多くの家猫や野良猫を愛する愛猫家でもありました。
本書は1987年から1993年の長きにわたって行われたインタビューをもとに構成されていますが、猫のいる生活や、おのおのの猫に対する愛情について、吉本さん自身が実におだやかな言葉で語っているのがとても新鮮です。装画や章扉のイラストは吉本さんの長女で漫画家のハルノ宵子さんによるもので、巻末では、次女の吉本ばななさんが父と猫と我が家に関するエッセイを捧げています。

『もふもふ猫まみれ とよたさんちのマブ猫 22のハッピールール』書影
電子あり
著・写真:とよた 真帆

俳優のとよた真帆さんは、物心ついたときから猫のいない生活をしたことがなかったのだそうです。お母さんもお兄さんも動物が大好きで、よく猫を拾ってきては迎え入れていたとか。多くの猫を看取り、現在は5匹の猫たちと暮らしているそうですが、さまざまな性格で年齢も異なる猫たちとどう折り合いを付けているのでしょうか。
本書は、とよたさん宅で猫を飼う際の22のルールを、あるがままの姿で自由に暮らす猫たちの写真入りで解説したもの。複数飼いで悩んでいる方には、頼もしいヒントになることでしょう。もちろん、気取らない猫たちの写真目当てで読むのもOK、彼らの日常に頬が緩むことうけあい!

『猫の古典文学誌 鈴の音が聞こえる』書影
電子あり
著:田中 貴子

私たちが接しているイエネコの祖先は、リビアヤマネコと言われているそうです。猫と人との共存はとても古く、約9,500年前のキプロス島の遺跡から人骨とともに猫の骨が見つかっているほか、古代エジプトでは猫は神聖視されていたことも分かっています。
一方の日本では猫との関わりがいつから始まったのか不明で、『古事記』『日本書紀』の時代を通り越した平安時代になってようやく文献に猫が登場するそうです。
本書は日本における猫と人との関わりを、古典文学や美術などを紐解いていくことで探ります。猫を家族のように愛する貴族の話や、妖怪・怪異の権化として語られる猫の物語など、雑学のネタ本にも最適ですよ。

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