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講談社ラノベブックス創刊! Webで人気の作品が待望の文庫化!

講談社ラノベ文庫6月刊のラインナップを一挙ご紹介! 校了を担当する2人の秘密コメント付きをチェックしよう!!

イノヤス

講談社ラノベ文庫編集長(であるらしい)。月刊少年マガジンに約20年在籍後ラノベ文庫へ異動し現在に到る。頭の中身は自称永遠の17歳だが頭の外側は……!?という、ドラえもんのいないのび太、みたいな感じのおっさん。編集者としてのモットーは「相手の技は必ず受けろ!」、身につけたい能力は「速読」、異世界に行ったら「蕎麦屋」をやりたい。一度言ってみたい台詞は「どうしたんだ、顔が赤いぞ。熱でもあるのか!?」

大ちゃん

講談社ラノベ文庫編集部校了担当者。またの名を金剛寺大三郎。軍手とガムテと段ボールが似合うナイス・ガイ。講談社ラノベ文庫の新刊を責任持って校了してますが、やたらフセンをいっぱい貼って返してくるのでうっとおしいみたい。「笑ったとこにいちいち『(笑)』っていうフセン貼ってくんの、どうなんすか」(編集部員・談)

2017.07.07
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自分のことを平凡って言ってるやつに平凡なやつはいないと思うの。

『自称!平凡魔族の英雄ライフ ~B級魔族なのにチートダンジョンを作ってしまった結果~』書影
著:あまうい白一 イラスト:卵の黄身

魔族が通う学園のクラス分け試験で四百階層の魔王級ダンジョンを作成してしまった青年クロノ。
「君は一体何者なんだ!?」「俺はただの田舎の平凡魔族なんですが」。竜が飛び交い伝説のモンスターがうろつき、凶悪な魔法が日常的に使われている魔境で育ったクロノは、自分の常識がずれていることに気づいていなかった! 魔力も身体能力も桁外れ、素手でドラゴンすら殴り倒せるクロノはすぐさま学園中の注目の的になるが──!

イノヤスコメント

さて、今月よりラノベ文庫がお送りするシリーズがひとつ加わりました。その名も「Kラノベブックス」! 「WEB小説をメインに、強力ラインナップで続々登場いたします(折り込みチラシ“ラノベ文庫通信”より)」──まさにその通りなのです! 今後の展開にも是非ご期待ください!!

ということで、その「Kラノベブックス」今月発売の2作品のうち、まずはこちらです。主人公のクロノくん、これがまた超強烈な能力──身体能力もすごいし、魔力もとんでもない! でも本人にとっては特別なことをしている気持ちは全くない、それもそのはず、彼の育ったところがまたとんでもない魔境だったため、自然に彼はとんでもない力を普通に身につけてしまっていた──というところでしょうか? プレミアリーグの選手が小学生のサッカーに混じってしまったくらいの力量差ですが、でもクロノくんには、嫌みなところが全くなく、なんだか全編通じて好感がもてるのです! いわゆるチートに満ちていても、なんだかとても爽快なのです!

その昔、自分がまだ漫画誌の編集部にいたころ、漫画家さんと新企画をたてるときに、主人公についての議論をしていく際によく思ったことがあります。──「主人公をあまりにも常人とかけ離れた天才(いまでいうチートにちかい感じですか)にしたら、読者に嫌われるのではないか、多少は努力で積み上げるところで魅せなくてはいけないのではないか……?」。そんな強迫観念にも似た思いを抱いたものです。ところが実際は読んでみて爽快感があるのは天才がすっきりさっくり勝つ方で、こねこね積み上げるところなんて見たくもないのです。天才が勝つところで爽快感を与えられないのは書き方が未熟なだけなんですね。

そりゃそうですよね。せっかく浮き世を離れてたのしい想像の世界に旅するんですから、あり得ないくらいチートなヤツがすっきりと、どんな前評判が恐ろしいヤツにもあっさり勝利するところを見たり読んだりする方が楽しいにきまってます。明るく激しく楽しいチート万歳! まだまだ楽しい、見たこともないチートキャラが現れるのを楽しみにしています。

まあ一般論はさておいて、この作品はクロノくんという、痛快かつ共感にみちた得がたい主人公がみせる「楽しく好ましいチート」っぷりが満載です。彼の行く末がとても楽しみなのですよ!

おれ、そば屋やめた!

『ポーション頼みで生き延びます!』書影
著:FUNA イラスト:すきま

長瀬香は、世界のゆがみを調整する管理者の失敗により、肉体を失ってしまう。しかも、元の世界に戻すことはできず、より文明の遅れた世界へと転生することしかできないらしい。放り出されてはたまらないと香が要求したのは「思った通りの効果のある薬品を、自由に生み出す能力」! さらにアイテムボックスと言語理解能力と少し若返った身体を手に入れたカオル、生み出した薬品──ポーションを使って安定した生活を目指します!

イノヤスコメント

WEB小説界隈を巡っていると、まあ職業物がたくさんあるわけですが、「クスリ」(なんでカタカナで書くと悪の匂いがするんだろ)を扱う人が登場する作品が結構ありますね。舞台が異世界であれば、魔法だろうがモンスターだろうがなんでもありなのに、なんでだろ? と思っていたのですが、読んでみてはたと膝をうちました(この表現あってるかな?)。異世界に転生したカオルが、神様からもらったチート能力が、「思った通りの効能をもつ薬を作り出す力」だったわけですが、こりゃ便利。確かにお金にもなるし、有力者との取引もできるし、そもそも生き延びるために一番有益なわけだ!──いままで異世界に行ったら蕎麦屋をやりたい、と思っていたのですが、急遽変更して、自分も万能の薬を、しかも自分しかできない薬をつくる能力とかにするべきだなあ……考え直しました。

そうはいっても、ヒロインのカオルの、まあ頭の切れるころ……22歳のOLが15歳に戻してもらったという設定はありますが、いろいろな疑問を提示されてもよどみなく即断即決するし、相手が誰でも大胆な行動に打って出られるその度胸といい、もしポーション力をもってなくてもいずれはながされた異世界で重要な役割を果たしたに違いないと思えました。それとカオルさん、結構人情派なんですね……ほろりとくるエピソード、好きです。

異世界の歴史を変えるくらいのことをしてくれるはずの、カオルさんの活躍に今後もずっと期待していきたいです!

そうそう、この作品は、ニコニコ静画『水曜日のシリウス』でのコミック連載も開始しております。あらたに登場の「Kラノベブックス」でも、「ラノベ文庫」同様に積極的にコミカライズにチャレンジしていきたいな、と考えております! 今後もぜひご期待ください!!

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