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【処女作秘話】江戸期吉原に咲く、“男花魁”ファンタジー!

「マガジンエッジコミックス」『花街ヒイロヲ』1巻の発売を記念して、寺井赤音先生にメールインタビューに答えていただきました! 少年漫画で男花魁、話題沸騰の作品の制作秘話に迫ります!

2016.05.27
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寺井赤音(てらい・あかね)

石川県在住の漫画家。誕生日は9月16日。好きなものは鯖の味噌煮、レトロ、赤色。代表作に『七福マフィア』『劇場版ATARU』など。寺井赤音のHP http://chushiki.web.fc2.com/ 作者ツイッターアカウント(@SyanhaiNihao)

この題材を描こうと思ったきっかけを教えてください。

自分は石川県民なのですが、地元にも花街があったと知り、この題材をなんだか身近に感じるようになりまして。そこに男花魁がいて、しかもアクションが入り混じったとしたら見たことがないような漫画になると思ったからです。この奇抜な題材でGOサインを出して頂いた「マガジンエッジ」さんには本当に感謝しております。

初めての少年漫画への挑戦ということで、何か前と変わったことはありますか?

元々居た少女誌でもわりと少年漫画っぽいものを描いていたので大きく変わった点は無いのかもしれませんが、自分は出せるキャラクターがより自由になったと感じています。巨乳のおねえさんとか描いても不自然じゃないというか、イケメンにしすぎなくてもいいとか、キャラの面で自制する気持ちがなくなったのでこれからも色々チャレンジしたいと思っています。

『花街ヒイロヲ』コマ1

この作品を描いていて、楽しかったこと、大変だったことを教えてください。

露出の高いシーンを作画する時は基本的に楽しいですが、時折ふと我に返って「これ大丈夫?」と思ってしまうことが何度もあります(笑)。そういう時はネームの時の自分を信じて「これでいいんだ……!」と騙し騙し描いています。

『花街ヒイロヲ』コマ2

あと時代物というのが初の試みだったので一から江戸時代を始めた連載初期は着物の着こなしや髪型など躓きまくっていました。変身後の服も自分で考えておきながら細々した装飾をすぐ忘れそうになります。表現したい気持ちがセリフや表情などが考え付かないことも多くて毎度悩みます。

『花街ヒイロヲ』コマ3

作中で一番好きなキャラクターは誰ですか?

黒羽です。ラクガキする時もつい黒羽を描きたくなってしまいます。色気と黒さと自己犠牲が混在する難解なキャラクターですが基本的に良い子だと思っています。

『花街ヒイロヲ』

読者の方々へのメッセージをお願いします。

いつも『花街ヒイロヲ』を読んでくださり本当にありがとうございます! 少しでも魅力的に思ってもらえるようにこれからも精進いたしますので今後とも応援よろしくお願いいたします。

『花街ヒイロヲ(1)』書影
著:寺井赤音

江戸・吉原の斑屋にいるは、世にも珍しき男花魁の黒羽と白金。毎夜、嘘と真実に塗れた春を売りつつも、妖しき別の顔を持っていた。それは狐の力を身に纏い、人の心の隙に植えつけられ咲く花傀儡(はなくぐつ)と戦うこと──。二人の力の秘密、吉原に奉られる稲荷神社、そして黒羽と白金の過去、艶やかな物語がはじまる──。