今日のおすすめ

『あさめしまえ』完結。著者の鉄板レシピ②【プレゼントあり】

サラリーマンから小学生まで。地域の人々に元気を与える朝ごはん食堂を舞台にした作品『あさめしまえ』。作中に登場したレシピを著者・北駒生さんがエピソードを交え振り返った。Vol.2では体と心にやさしい豆腐のスープ、納豆が苦手な人にも勧めたい包み焼きを紹介。

2016.03.17
  • facebook
  • X(旧Twitter)
  • 自分メモ
自分メモ
気になった本やコミックの情報を自分に送れます
北駒生

第3回 ITAN スーパーキャラクターコミック大賞で優秀賞を受賞し、デビュー。『あさめしまえ』(BE・LOVE)で初連載。日本朝食協会主催「グッドモーニングAWARD2015」文化部門受賞。

3巻・15膳目「とうふ日和」

3巻で描いたのは「役目」のこと。最高級においしいものが毎朝つづいてもくたびれる。ちょうどいい朝飯がちょうどいいときがある。簡単につくれるサンドイッチにも、元がつとめていた調理場にも、それぞれのお役目があるのです。

「とうふ日和」は、朝の店頭から一転し、夜の部屋の話です。笑顔で店の表に立ってきた主人公・元の、自室での顔を描きました。
夜の元はうっすらと無愛想で、気をゆるす友人の前では笑顔をみせない。自分のために作ったごはんですこし笑う。描いてみると、真夜中の元のほうが気安く感じました。
風邪ひきの元はまっしろな豆腐に救われ、元気になると豆腐においしく色をつけます。

「白のままでうまい豆腐に色つけて、もっとうまくするんだぜ。料理人ておもしれーな」という暮谷のセリフは、料理家の中川千春先生のお料理に感じた驚きそのものです。お豆腐が団子やお好み焼きに生まれ変わるなんて、おもしれーな、と。
ヘルシーな豆腐のスープは、体調がすぐれない朝にもおすすめです。

[材料/2人分]
・山芋75g
・木綿豆腐150g
・片栗粉大さじ5
・卵(M玉)1個
・塩ひとつまみ
・えのき適量
・ねぎ適量
・粉末出し小さじ1
・お湯500cc
・しょうゆ少々
・水溶き片栗粉小さじ1
・すりおろししょうが適量……お好みで

[作り方]
①山芋をたわしかアルミホイルを丸めたものでよく洗い、表面の汚れや根っこを取り除いてからざく切りにする。
②ミキサーに①と卵と塩ひとつまみを入れて混ぜ、なめらかにする。
③木綿豆腐の水気をペーパーでよく切り、②のミキサーに入れてクリーム状にする。
④③をボウルにあけ、片栗粉とよく混ぜ合わせる。
⑤鍋にお湯をわかし、粉末出しを入れる。
⑥⑤の中に、スプーンですくって団子状にした④を1杯ずつ入れる。
⑦⑥の団子が浮いてきたらすくい取る。
⑧鍋の汁にえのきを加え火にかけ、沸騰したら水溶き片栗粉を加え、しょうゆで味を整えたら火を止める。
⑨⑦の団子を戻し入れる。最後にお好みですりおろししょうがを添えてもおいしい。

山芋と豆腐のスープ
山芋と豆腐のスープ
山芋と豆腐のスープ

やさしい味の豆腐のスープは体調のすぐれない時にありがたいおいしさ。

4巻・18膳目「包まれた秘密」

嫌いだったものが食べられるようになる。この瞬間が不思議でした。閉じられていた味覚の扉がいきなりひらくのです。相手がこちらを思って作ってくれた料理なら、その扉は相手がひらいたようなもの。 こんな瞬間をかさねて、他人同士の男女が家族になっていくのかもしれません。
「包まれた秘密」に登場する堤さんは、「妻の納豆料理しか食べられない」と言います。奥さんによってひらかれた味覚の扉を、奥さんのために閉じている。
妻の元にとどまることを願う夫と、あなたはどこへだっていけると願う妻。いたわりあう夫婦を描いたのははじめてで、新鮮な気持ちでした。

油揚げに包まれた秘密は、ツナマヨの納豆。わたしは納豆をあまり食べないのですが、これは何個でもいただきたい。カリッとした揚げ焼きはお酒にもよく合います。

4巻の後半から、2日間のできごとを数話にわたって描きました。細かな心情や数秒間の表情が描けたのは、ぜいたくな経験でした。

[材料/2人分]
・ツナ缶50g
・マヨネーズ大さじ1
・刻みネギ少々
・納豆1パック
・油揚げ2枚
・七味唐辛子適宜
・塩こしょう少々

[作り方]
①ツナ缶とマヨネーズをよく合わせ、塩こしょうで味を整える。
②納豆と刻みネギをよく混ぜ合わせ、①と合わせる。
③油揚げを半分に切り、上から箸などを転がしてから袋状にする。
④油揚げの袋の中に、スプーンを使って②を入れていく。
⑤油揚げの口をひだをとるように折りたたみ、つまようじを刺してとめる。
⑥熱したフライパンに油をひかずに⑤を並べ、両面にこんがり焼き目がつくまで焼く。七味唐辛子をかけて完成。
*お好みでウズラのゆで卵をいれてもおいしいです!

ツナットウの揚げ焼き
ツナットウの揚げ焼き
ツナットウの揚げ焼き

納豆が苦手な著者が何個でもいただきたいという逸品。おもてなしにもなりそう。

応募はこちらのアンケートページからお願いいたします(締め切りは3/23まで)。

『あさめしまえ(6)』書影
著:北駒生

朝ごはん食堂「アサメシマエ」を営む、20代男子・日高元。食堂にまひるという少女がやってきて、二人体制になったのもつかの間、かつて元が働いていた「モメント・エテルノ」3号店が近くに出店したことにより、元は料理人として、経営者として、進むべき“道”を模索することに……。グリーンサラダ、おうちで手作りソーセージ、Superデトックスカレー、のりウメーゼ、甘酒ゼリー、トマトヨーグルトゼリー、おくずかけ、しそ巻き、シンプルなのに贅沢とりハム、手作り丸パン。レシピ完全収録の朝ごはん漫画、ついに完結巻!