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講談社社員 人生の1冊【28】TVアニメ放送中!『妖怪アパートの幽雅な日常』

妖怪アパートの幽雅な日常
(著:香月日輪)
2017.07.07
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今川佳枝 書籍宣伝部 40代 女

「君の人生は長く、世界は果てしなく広い。肩の力を抜いていこう」──by 龍さん

ステキ! 惚れたわ! 龍さん!!

13歳で両親を失い、シビアな世の中をたった1人で生き抜かなければならなくなった、主人公・夕士。世間にも運命にも、自分にも負けられない! 早く大人にならなければ! という彼に龍さんがかけた言葉です。

私がこの本と関わったのは、男児2人の母となって職場に復帰してまもなく。シリーズも完結し、いよいよ文庫化という頃です。

それこそ日常が「ゆ・う・が」と真逆の生活の中、息子たちにもこんな言葉をかけてくれる友人や大人に出会え、夕士のように深く実直に考えてくれる子供になってほしいと願いつつ、オトコの子の強さ、弱さを疑似体験したようでお得な気分で、全10巻をイッキ読みしました(著者は女性ですが)。

せっかく全寮制高校へ合格をしたのに寮が火事! ラッキーにも家賃が安く、今どき賄いつきのアパートで下宿生活をはじめられることになった夕士。……そう、世の中おいしい話には裏がある!

で、タイトルのとおり「でる!」のです! 妖怪が。普通に。「なんかようかい?」的に。

ただの妖怪、無念で成仏できない元人間、キャラ強すぎる現人間とが共同生活するアパートで成長していく少年の物語の中に、子どもたちに贈りたい優しくてジンとくる言葉がたくさんあるのです。

「おいらたちは長生きする。人間のことも長ーい目で見てるよ。今は悪くても、いい時代は必ず来る。すべての歴史はその繰り返しだ。そして次の時代をつくるのは、君たちのような若い子なんだ」(人間社会でサラリーマンを続ける妖怪・佐藤さん)

今、厳しい現実に立ち向かう子どもたちに、心が折れそうになっても凛として生きる夕士の姿に励まされたり、希望をみつけてほしい。

  • 電子あり
『妖怪アパートの幽雅な日常』書影
著:香月日輪

俺が入居したアパートは、物の怪たちの巣窟だった!

共同浴場は地下洞窟にこんこんと湧く温泉、とてつもなくうまいご飯を作ってくれる「手首だけの」賄いさん──13歳で両親を失った俺が高校進学と同時に入居したのは人呼んで“妖怪アパート”。次々と目の当たりにする非日常を前に、俺の今までの常識と知識は砕け散る。